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学習計画

行政書士3か月学習計画|12週間の週別スケジュールと捨てる判断

3か月で確保できる学習時間は、週30時間でも360時間です。一般に示される600時間から1,000時間という目安には届きません。したがって3か月の計画は、全範囲を均等に扱う前提を捨てるところから始まります。どこを削り、どこを削らないかを、300点の配点から決めていきます。

最終確認:2026年7月31日

01結論:3か月の計画は、削る場所を決めることから始まる

行政書士試験は300点満点で、法令等122点以上・基礎知識24点以上・総得点180点以上の3つを同時に満たせば合格します。絶対評価なので、周囲の出来は関係ありません。3か月で問題になるのは他の受験者ではなく、投下できる総時間が範囲の広さに対して足りないという単純な事実です。

学習時間としてよく示される600時間から1,000時間という数字は、公的な統計ではありません。実施機関である行政書士試験研究センターは学習時間を調査しておらず、この数字は指導機関が経験的に示している目安です。ただし目安としても、3か月・週30時間で確保できる360時間はその下限に届きません。

足りない状態で全範囲を均等に扱うと、どの科目も一巡しないまま試験日を迎えます。3か月の計画は、最初に180点の内訳を設計し、そこに必要な範囲だけを12週に割り付ける形になります。削る判断は勘ではなく、科目ごとの満点で決めます。

以下では、確保できる総時間の計算、間に合いやすい条件、180点の内訳、削る対象、12週間の週別スケジュール、遅れたときの手順、当日の時間配分を順に扱います。日程と配点は行政書士試験研究センター(https://gyosei-shiken.or.jp/)の公表資料によります。

023か月で確保できる総時間を、最初に数字にする

計画を作る前に、自分が投下できる総時間を確定させます。3か月は約12週から13週です。ここでは12週で計算します。週の学習時間を決め、12倍するだけです。この数字が出ないうちに教材を開くと、必ず範囲が余ります。

下の表は、週の時間ごとの総時間と、その水準で何が成立するかを整理したものです。週20時間、つまり平日2時間・休日5時間を2日という配分でも240時間にしかなりません。これは行政法と民法に集中し、他を最小限にする以外の選択肢がない水準です。

週30時間は、平日3時間・休日7時間30分を2日という配分です。フルタイムで働いている場合、この水準を12週間維持するのは容易ではありません。維持できない前提で組むなら、週25時間で計画し、余った日に前倒しする形のほうが崩れにくくなります。

総時間が決まったら、それを科目に割り振ります。配点比率をそのまま使うと、行政法が37.3%、民法が25.3%、基礎知識が18.7%です。3か月ではここから調整します。行政法と基礎知識の比率を上げ、商法・会社法と基礎法学をほぼ固定費まで落とします。理由は次の2つの節で説明します。

週の学習時間内訳の例(平日5日+休日2日)12週間の総時間この水準で成立する計画
15時間平日1時間30分・休日3時間45分180時間行政法と基礎知識に絞っても一巡が厳しい。次年度も視野に入れる
20時間平日2時間・休日5時間240時間行政法と民法の頻出に限定し、憲法・商法は最小限にする
25時間平日2時間30分・休日6時間15分300時間行政法を一巡し、民法の頻出と記述式まで届く
30時間平日3時間・休日7時間30分360時間全科目に触れたうえで、行政法の2周目と誤答処理まで入る
35時間平日3時間30分・休日8時間45分420時間記述式の答案練習と通し演習を計画に組み込める
40時間平日4時間・休日10時間480時間学習が専業に近い場合の水準。仕事と両立させるなら現実的ではない

033か月で間に合いやすい人と、間に合いにくい人の条件

同じ3か月でも、開始地点によって到達点は変わります。ここでいう開始地点とは、法律の条文を読む速度、5肢択一の読み方への慣れ、そして行政法にどれだけ触れたことがあるかの3つです。行政法112点は行政書士試験の最大の配点でありながら、法学部の必修に入っていないことが多い領域です。

宅地建物取引士に合格している人は、民法の総則・物権・債権に土台があり、択一の選択肢を1語ずつ照合する読み方にも慣れています。ただし重なるのは民法76点の一部だけで、行政法112点はほぼ新規です。法学部出身でも同じで、民法と憲法の合計は104点、300点の34.7%にとどまります。

前年度に受験して得点通知を持っている人は、3か月でも設計がしやすくなります。どの科目で何点足りなかったかが特定できるためです。センターは科目別の正答率を公表していませんが、受験者本人には合否通知が届きます。ここに残っている数字が、そのまま次の計画の起点になります。

下の表は、条件ごとにどちらに寄るかを整理したものです。左の列に3つ以上当てはまるなら12週間の計画で狙えます。右の列に3つ以上当てはまる場合は、今年の受験を経験として位置づけ、基礎知識と行政法だけを仕上げて翌年に接続する組み方もあります。

条件3か月で届きやすい3か月では届きにくい
確保できる週の時間25時間以上を12週間維持できる見込みがある20時間を下回る週が半分以上ある
法律の学習経験他の法律系資格または法学部で条文を読んだことがある条文を読んだ経験がまったくない
行政法への接触行政手続法・行政不服審査法の名前と役割を区別できる5つの法律の違いを説明できない
択一の読み方5肢択一で選択肢を1語ずつ照合する読み方に慣れている長文の選択肢を読み切る前に集中が切れる
記述式の経験40字程度で結論と理由を書く形式を経験したことがある記述式という形式自体が初めて
受験歴前年度の受験があり、失点の傾向を自分で把握している初受験で、現在地を測る材料がない

04180点の内訳を、週の予定より先に設計する

3か月の計画で最初に作るのは、スケジュールではなく得点の設計図です。どの科目で何点取って180点に到達するかを決めておかないと、範囲を削る判断ができません。下の表は、12週間で組める最低限の設計例です。合格を保証する配分ではなく、削る根拠を得るための基準線として使ってください。

この設計では、5肢択一54問のうち35問(64.8%)、多肢選択式24点のうち16点、記述式60点のうち28点を見込んでいます。合計184点で、法令等は148点となり122点の基準を満たします。基礎知識は36点で、24点の基準に12点の余裕を持たせています。

注意すべきなのは、記述式の28点が自己採点で確定しない点です。採点基準は公表されていません。想定を下回った場合、184点はすぐに180点を割ります。したがって余裕を作る場所を先に決めておきます。上積みしやすいのは、行政法の択一をあと1問(4点)と、基礎知識をあと1問(4点)です。この2問で8点の余裕が生まれます。

逆に、上積みが難しいのは民法の択一です。9問しかなく、事例処理に時間がかかります。3か月で民法の択一を5問から7問に増やす投資より、行政法の択一と基礎知識に同じ時間を置くほうが、点あたりの効率は上がります。

科目満点設計上の目標その内訳上積みの難易度
行政法112点80点5肢択一19問中15問で60点、多肢選択式で12点、記述式で8点択一は上積みしやすい。まずここを厚くする
民法76点40点5肢択一9問中5問で20点、記述式2問で20点択一の上積みは重い。記述式で確保する
基礎知識56点36点14問中9問。行政書士法等2問と文章理解3問を土台にする条文で確認できる範囲が多く、上積みしやすい
憲法28点16点5肢択一5問中3問で12点、多肢選択式で4点主要判例に絞れば安定する
商法・会社法20点8点5問中2問。設立と機関の頻出のみ範囲が広く、上積みの効率が悪い
基礎法学8点4点2問中1問。用語と法体系の基本のみ2問しかなく、投資に見合わない
合計300点184点法令等148点・基礎知識36点で、3つの基準をすべて満たす記述式が想定を下回る前提で8点の余裕を作る

05削る場所は好みではなく、配点で決める

3か月で全範囲を扱うことはできません。削る判断が必要になりますが、ここを感覚で決めると、たいてい面白いと感じた分野が残り、配点の大きい分野が削られます。判断の基準は1つだけ、その分野の満点が300点のうち何点かです。

商法・会社法は20点、300点の6.7%です。会社法は条文数が多く、全体を追うと数十時間が消えます。設立と発起人、株式、取締役会・監査役といった機関設計、商法総則の頻出に絞り、5問中2問を目標にします。ただし完全に捨てるのは避けてください。20点は基礎知識5問分に相当します。

基礎法学は8点、2問です。用語と法体系の基本を確認する以上のことをする必要はありません。ここに10時間かけるなら、行政法の択一に10時間置くほうが総得点に効きます。

一方で、削ってはいけないものが3つあります。基礎知識の行政書士法等と文章理解、記述式60点、行政法の4つの法律です。基礎知識には24点の足切りがあり、法令等が満点でも24点に届かなければ不合格です。記述式は300点の20%を占めます。行政法は最大の配点です。この3つを削ると、削った瞬間に180点への道が閉じます。

対象満点と全体比どこまで削るか削る根拠
商法・会社法20点・6.7%設立と発起人、株式、取締役会と監査役、商法総則の頻出のみ条文数に対して配点が小さく、投下時間あたりの得点効率が最も低い
基礎法学8点・2.7%法源と法の解釈、裁判制度の用語確認まで2問しかなく、範囲を広げても回収できない
行政法総論の学説対立行政法112点の一部条文と主要判例の結論に限定する学説の対立そのものを直接問う形は多くない
民法の親族・相続の細部民法76点の一部相続人と法定相続分、遺言の方式、遺留分の基本まで択一9問の中での比重が小さく、事例の難度が高い
一般知識(政治・経済・社会)基礎知識56点の一部時間の上限を先に決め、5問から6問中2問から3問取れれば足りるとする範囲が原理的に閉じず、投下時間と得点が比例しない
削ってはいけないもの基礎知識24点・記述式60点・行政法112点行政書士法等と文章理解、記述式、行政法の4法は範囲を維持する足切りと最大配点に直結し、削ると180点への経路が消える

0612週間の週別スケジュール

以下は、週25時間から30時間を前提にした12週間の割り付けです。行政法を先頭に置き、民法を中盤に置き、基礎知識と記述式を固定枠として毎週走らせる構成です。この順番を変えると、最も配点の大きい行政法の演習量が足りなくなります。

各週には、週末に確認することを付けています。この確認を通過できなかった週は、次の週へ進む前に半日だけ戻ります。ただし2週続けて戻るのは避けてください。2週遅れた時点で、リカバリーの節にある手順へ切り替えます。

毎週の固定枠は、基礎知識を週2回30分ずつ、記述式を週1時間です。合計2時間で、週25時間のうち8%にすぎません。この2時間を最初に確保しておかないと、56点分と60点分が最後まで手つかずのまま残ります。

週(試験までの残り)主に進める範囲毎週の固定枠週末に確認すること
第1週(残り12週)行政法総論と行政手続法。申請に対する処分と不利益処分を分ける基礎知識は行政書士法から。記述式はまだ書かない審査基準と処分基準の違い、理由の提示が必要な場面を言える
第2週(残り11週)行政手続法の残り(行政指導・届出・意見公募手続)と行政不服審査法の入口基礎知識は戸籍法と住民基本台帳法行政指導に従わないことを理由とする不利益な取扱いの可否を説明できる
第3週(残り10週)行政不服審査法(審査請求の対象・期間・審理員・行政不服審査会)基礎知識は個人情報保護法審査請求期間の主観3か月・客観1年を、起算点とセットで言える
第4週(残り9週)行政不服審査法の裁決と教示、行政事件訴訟法の処分性と原告適格基礎知識は情報公開法。記述式を週1問書き始める処分性が認められた判例と否定された判例を2つずつ挙げられる
第5週(残り8週)行政事件訴訟法の訴訟要件・執行停止・判決の効力・その他の抗告訴訟基礎知識は文章理解を週2問出訴期間6か月と執行停止の要件を、審査請求と並べて言える
第6週(残り7週)国家賠償法1条・2条と地方自治法。行政法の1周目を閉じる記述式は行政法の抗告訴訟を週2問国家賠償法1条と2条の要件の違いを、公権力と営造物で分けて説明できる
第7週(残り6週)民法総則(制限行為能力・意思表示・代理・時効)基礎知識は政治経済社会を週1回に圧縮代理と表見代理の3類型を、当事者の図で説明できる
第8週(残り5週)物権(対抗要件・即時取得・共有・抵当権)記述式は民法に切り替えて週2問対抗要件が必要な場面と不要な場面を、事例で切り分けられる
第9週(残り4週)債権総論(債務不履行・解除・債権者代位・保証・債権譲渡)行政法の誤答を週1回まとめて解き直す債務不履行と契約不適合責任を、要件と効果で区別できる
第10週(残り3週)契約各論と不法行為、親族・相続の基本。民法の1周目を閉じる記述式は行政法1問・民法2問の本番配分で書く不法行為の使用者責任と工作物責任を、責任主体で分けられる
第11週(残り2週)憲法の主要判例と統治、商法・会社法の頻出、基礎法学の用語基礎知識は全分野を1周し、文章理解を毎日1問3時間の通し演習を1回行い、解答順と残り時間の感覚をつかむ
第12週(残り1週)誤答リストの総ざらいのみ。新しい範囲には一切手をつけない記述式は書いた答案を読み返し、型を固定する解答順・時間配分・持ち物・会場までの経路を確定させる

07第1週から第6週:行政法を先に一巡させる理由

行政法を先頭に置く理由は3つあります。第一に配点が112点と最大で、300点の37.3%を占めるからです。第二に、条文の構造を整理すれば単独で得点でき、他科目の理解を前提としないからです。第三に、令和7年度の出題では5肢択一19問・多肢選択式2問・記述式1問と、3つの形式すべてに登場するからです。

行政法の学習を速く進める鍵は、5つの法律の役割を最初に分けることです。行政手続法は行政が処分をする前後の手続、行政不服審査法は行政内部での救済、行政事件訴訟法は裁判所による救済、国家賠償法は金銭による事後の救済、地方自治法は自治体の組織と住民の権利を扱います。この5行を書けるようになるまでは、細部に入らないでください。

第1週と第2週の行政手続法では、申請に対する処分と不利益処分を分けることが最優先です。審査基準は申請に対する処分、処分基準は不利益処分、聴聞と弁明の機会の付与は不利益処分の手続です。この対応が固まると、行政手続法の出題の多くは選択肢を読んだ瞬間に判定できます。

第3週から第5週の行政不服審査法と行政事件訴訟法は、同じ表で比較しながら進めます。対象、申立先または被告、期間、執行停止、結論の効力の5項目を横に並べます。期間は数字だけを覚えず、必ず起算点とセットにします。当サイトでは /topics/appeal-period と /topics/revocation-litigation-requirements にこの比較を整理してあります。

  • 5つの法律の役割を1行ずつ書けるまで、細部に入らない
  • 行政手続法は申請に対する処分と不利益処分の2系統に必ず分ける
  • 審査請求と取消訴訟は、対象・相手方・期間・執行停止・効力の5項目で比較する
  • 期間は起算点とセットで覚える。3か月・6か月・1年の使い分けが頻出
  • 行政法の演習は /drill で科目を行政法に絞り、重要度Sの75問から回す

08第7週から第10週:民法と記述式を同時に立ち上げる

民法は76点、300点の25.3%です。ただし内訳は5肢択一9問36点と記述式2問40点で、記述式のほうが配点が大きいという特殊な構造をしています。択一だけを追うと、40点分の準備が抜けます。民法に入る第7週から、記述式は民法に切り替えます。

3か月で民法の全範囲を精密に押さえることはできません。優先順位は、記述式で問われやすい領域から決めます。公表されている6年分の記述式(問45・問46)は、代理と表見代理、債権譲渡、抵当権、契約不適合責任、不法行為と工作物責任、事務管理、債権者代位といった、当事者が3人前後になる事例に集中しています。

学習の形は、条文を読む前に当事者関係を図にすることです。誰が誰に対して、どの制度に基づき、何を請求できるか。この3つを図の上で言えるようになれば、択一でも記述式でも同じ判断が使えます。逆に、条文の文言を先に暗記しても、事例に落ちません。

第9週と第10週では、行政法の誤答を週1回まとめて解き直す枠を入れます。民法に4週間集中すると、行政法の判断速度が落ちるためです。3か月の計画では、1つの科目に4週間以上連続で張り付かないことが原則になります。

  • 民法76点のうち40点は記述式。択一だけを追うと配点の半分以上が抜ける
  • 条文の暗記より先に、当事者関係を図にする作業を習慣にする
  • 記述式で問われやすいのは、当事者が3人前後になる事例
  • 1科目に4週間以上連続で張り付かない。前の科目の誤答処理を週1回挟む
  • 民法の論点整理は /topics/agency-and-apparent-authority などから確認できる

09第11週:憲法・基礎知識・商法を最小コストで拾う

第11週は、残り3科目をまとめて処理する週です。憲法28点、商法・会社法20点、基礎法学8点の合計56点を、1週間で扱えるところまで持っていきます。ここで完璧を目指すと、行政法と民法の復習時間が消えます。目標は憲法16点、商法8点、基礎法学4点の合計28点です。

憲法は、判例の結論と理由を対にして覚えるのが最短です。人権では法の下の平等、表現の自由、信教の自由と政教分離、経済的自由が繰り返し出ています。統治では国会と内閣の関係、司法権と違憲審査制です。判例の事案の細部より、どの基準で判断したかを押さえます。

商法・会社法は、設立と発起人、株式、株主総会、取締役会と監査役に絞ります。令和7年度は問36が交互計算、問37が発起人、問38が取締役会、問39が監査役、問40が株券でした。5問中2問を取る前提なら、機関設計と設立の2領域で足ります。

基礎知識はこの週に全分野を1周します。ただし、第1週から週2回の固定枠で進めてきた前提です。固定枠を飛ばしてきた場合、この1週間で56点分を仕上げることはできません。その場合は行政書士法等と文章理解の5問20点に絞り、残り4点をどこで拾うかだけを決めてください。

10第12週:直前1週間にやることと、やってはいけないこと

最後の1週間は、新しい範囲に手をつけません。3か月の計画では未習の範囲が必ず残りますが、残っている範囲は配点が小さいから残っているはずです。ここで新しい教材を開くと、すでに8割まで来ている論点の復習時間が消えます。

やることは3つです。誤答リストの総ざらい、記述式の答案の型の確認、当日の運用の確定です。誤答リストは、配点の大きい科目から順に処理します。行政法、民法、基礎知識の順です。1問あたり1分で、なぜ間違えたかを言えるかどうかだけを確認します。

記述式は新しく書かず、これまで書いた答案を読み返します。要素が抜けやすい場所は人によって決まっています。被告を書き忘れる、訴訟類型を書き忘れる、場合分けを省く、といった自分の癖を3つ書き出しておくと、本番で見直す観点になります。

当日の運用は、解答順、時間配分、持ち物、会場までの経路と所要時間の4つです。令和8年度の試験は令和8年11月8日(日)午後1時から午後4時まで、集合時刻は午後0時20分です。前日に睡眠を削る学習は避けてください。3時間の集中を維持できるかどうかは、当日の体調に強く依存します。

  • 新しい範囲・新しい教材には手をつけない
  • 誤答リストは配点の大きい科目から。1問1分で理由を言えるかだけを確認
  • 記述式は新しく書かず、自分が要素を落とす癖を3つ書き出す
  • 解答順・時間配分・持ち物・会場までの経路を確定させる
  • 前日に睡眠を削らない。3時間の集中は体調に強く依存する

11平日と休日で、扱うものを分ける

3か月の計画では、平日と休日の使い分けが総量以上に効きます。平日の細切れ時間に民法の事例を10分読んでも、当事者関係を追い切る前に中断します。逆に休日のまとまった時間を暗記表の確認に使うと、連続した時間でしかできない作業が押し出されます。

平日には、中断しても損失が小さいものを置きます。○×の一問一答、暗記表の確認、前日の誤答の解き直し、基礎知識の用語です。当サイトの /drill と /memory はこの用途を想定しています。移動中でも1項目ずつ完結します。

休日には、途中で止めると効率が落ちるものを置きます。民法の事例、記述式の答案作成、行政法の比較表づくり、3時間の通し演習です。第11週の通し演習だけは、休日の午後に3時間を確保してください。分割して解くと、時間配分の練習になりません。

なお、平日に崩れた分を休日に全部取り返す設計にすると、休日が予備日として機能しなくなります。休日のうち半日は空けておき、崩れた週の吸収に使います。12週間で12回の半日、合計6日分の余裕が生まれます。

時間帯置くもの1回の分量置かないもの
平日の朝・移動中前日の誤答の解き直しと暗記表10問または10項目新しい範囲のインプット
平日の夜その日の範囲を読み、同じ範囲の○×を解く60分から90分記述式の答案作成
休日の午前民法の事例問題と記述式の答案作成2時間以上の連続した枠細切れでできる暗記作業
休日の午後行政法の比較表づくり、過去問の年度別演習2時間から3時間スケジュールの組み直し
休日の残り半日遅れの吸収と、翌週の範囲の下見使わなかった週は前倒しに充てる新しい教材の購入検討

12遅れたときのリカバリー:遅れ幅で処置を変える

12週間の計画は、必ずどこかで崩れます。仕事の繁忙、体調、家庭の予定は予測できません。重要なのは、崩れたあとの処置を先に決めておくことです。処置が決まっていないと、遅れを取り返そうとして翌週を前倒しし、そこでさらに崩れます。

原則は1つです。遅れた分は、時間を増やして取り返すのではなく、範囲を削って吸収します。削る対象は配点の小さいものからです。商法・会社法と基礎法学の合計28点は、丸ごと後ろに送っても総得点への影響が最も小さい領域です。

3週以上遅れた場合は、計画そのものを組み替えます。全科目に触れる計画から、行政法と基礎知識に集中する計画へ切り替えます。行政法112点と基礎知識56点で168点。ここに憲法と民法の記述式を足せば180点に届く可能性は残ります。網羅を諦める判断は、早いほど選択肢が多く残ります。

4週以上遅れた場合、12週間の計画では180点に届きにくくなります。この場合、今年の受験を現在地の測定として位置づけ、行政法と基礎知識だけを仕上げて翌年に接続する組み方があります。受験手数料10,400円を測定のコストと考えれば、3時間の本試験は最も精度の高い演習になります。

遅れの幅何が起きているか処置処置後の目標
半週から1週その週の演習量が不足しただけ翌週の固定枠は維持し、演習量だけ2割落として範囲を保つ第6週までに行政法を一巡させる予定を変えない
2週1科目分の範囲が丸ごと残っている商法・会社法と基礎法学を第11週から外し、その時間を回す民法の1周目を第10週に閉じる予定を維持する
3週行政法か民法のどちらかが一巡していない全科目に触れる計画をやめ、行政法と基礎知識に寄せる行政法112点と基礎知識56点で168点を取りにいく設計に変える
4週以上12週間の割り付けが成立していない今年は行政法と基礎知識だけを仕上げ、本試験を現在地の測定に使う翌年の計画に、今年の得点通知を起点として接続する

13記述式60点を、3か月でどう扱うか

記述式は問44から問46の3問、1問20点で60点です。3か月しかない場合、ここを削りたくなりますが、削ると180点への経路が消えます。設計例では28点を見込んでいます。仮に記述式を0点とすると、択一と多肢だけで180点を作ることになります。多肢選択式で設計どおり16点を取れたとしても、残り164点を5肢択一で埋めることになり、54問のうち41問(75.9%)の正答が必要です。3か月でこの正答率に届くのは現実的ではありません。

一方で、記述式に多くの時間を割く必要もありません。公表されている6年分を見ると、令和2年度から令和7年度まで、問44は一貫して行政法、問45と問46は民法です。行政法の1問は抗告訴訟の類型と被告を問う形が目立ちます。的が絞れているぶん、準備は短時間で成立します。

必要なのは週1時間です。第4週から第12週まで9週間、合計9時間で18問前後を書けます。6年分の記述式が18問なので、それだけで一巡します。書く材料は、センターが公開している過去問PDFの問44から問46です。正解例も同じサイトに掲載されています。

自己採点は、文章の巧拙ではなく要素の有無だけで行います。設問の文末に問われている要素が明示されているので、それを数えて、自分の答案に入っているかを確認します。当サイトの /topics には60論点の判断順序と根拠条文を整理してあるので、要素が抜けた論点を戻って確認するのに使えます。

記述式に割く時間書く問題その週の到達目標
第4週から第5週週1時間行政法の記述(過去問の問44)を週1問設問の文末から、問われている要素を数えられる
第6週週1時間行政法の記述を週2問被告と訴訟類型を必ず書く型が固まる
第7週から第9週週1時間民法の記述(過去問の問45・問46)を週2問当事者関係を図にしてから書く手順が定着する
第10週週1時間30分行政法1問・民法2問を本番と同じ配分で3問を30分以内に書き切れる
第11週週1時間3時間の通し演習の中で3問択一のあとでも要素を落とさずに書ける
第12週30分新しくは書かず、これまでの答案を読み返す自分が要素を落とす癖を3つ言語化できている

14当日の3時間の配分と解答順を、第11週までに決める

試験時間は午後1時から午後4時までの3時間、180分です。この間に60問を処理します。5肢択一が54問、多肢選択式が3問、記述式が3問です。時間配分を決めずに問1から順に解くと、記述式にたどり着いた時点で残り20分ということが起こります。

配分の目安は、記述式3問に30分、多肢選択式3問に15分、5肢択一54問に135分です。5肢択一は1問あたり2分30秒になります。見直しの時間を確保したい場合は、択一を125分に圧縮し、10分を残します。この配分は第11週の通し演習で1回試し、自分の速度に合わせて調整します。

解答順は人によって最適解が違いますが、記述式を最後に回さないことが共通の原則です。記述式は疲労の影響を最も受けやすく、要素の書き忘れが増えます。択一を一定量解いて頭が動き始めたところで記述式に入り、そのあと残りの択一に戻る順番が一つの型です。

もう一つの注意点として、試験案内には、択一式問題の採点を完了した段階で合格基準を満たしていないと認められる場合には記述式問題の採点を行わないことがある、と記載されています。基礎知識が24点に届かなかった答案は、記述式が採点されない可能性があります。基礎知識14問を後回しにして時間切れにすることだけは避けてください。

区分問題数配分の目安1問あたり注意点
5肢択一(法令等)40問100分2分30秒2択で迷ったら印を付けて先へ進む。戻る時間を残す
多肢選択式3問15分5分空欄1つ2点。文脈から確定できるものを先に埋める
記述式3問30分10分疲労の影響が大きいため、最後には回さない
5肢択一(基礎知識)14問35分2分30秒相当文章理解3問は時間がかかる。先に処理する選択肢もある
見直し全体0分から10分配分の調整分択一を125分に圧縮すると10分の余裕が生まれる

153か月では埋まらない部分を、自覚しておく

12週間の計画を完走しても、埋まらない部分は残ります。民法の択一9問のうち初見の事例、商法・会社法の5問のうち3問、基礎知識の政治・経済・社会の一部です。これらは設計の段階で捨てているので、本番で解けなくても計画どおりです。解けないことに動揺しないことが、当日の得点を守ります。

3か月の計画で最も危険なのは、途中で網羅に戻ろうとすることです。10月に商法・会社法の未習部分が気になり、そこに10時間かけると、行政法の演習が10時間減ります。行政法の択一1問は4点、商法の択一1問も4点ですが、同じ10時間で取れる確率がまったく違います。

模試の点数に一喜一憂しないことも重要です。模試は本試験と難易度の設計が違い、点数の絶対値には意味がありません。見るべきなのは、時間内に全問に手が届いたか、記述式に30分を確保できたか、基礎知識が24点を超えたかの3点です。

最後に、行政書士試験は絶対評価です。令和7年度の合格率14.54%という数字は、その年に180点へ届いた人の割合であって、上位から順に切られる仕組みではありません。周囲の進み具合ではなく、自分の得点と180点の距離だけを見てください。3か月という条件でできることは、この距離を最短で詰める設計を1回だけ作り、それを変えないことです。

よくある質問

行政書士試験に3か月で合格できますか。

週30時間を12週間維持しても360時間で、一般に示される600時間から1,000時間という目安には届きません。したがって全範囲を均等に扱う前提を捨てる必要があります。行政法112点と民法76点で188点、全体の62.7%を占めるので、この2科目に寄せ、商法・会社法は設立と機関のみ、基礎法学は用語の確認だけに絞る設計になります。ただし基礎知識には24点の足切りがあるため削れません。前提知識と確保時間によって到達点は変わります。

3か月なら1日何時間必要ですか。

12週間で300時間を確保するなら週25時間、平日2時間30分・休日6時間15分を2日という配分になります。360時間なら週30時間で、平日3時間・休日7時間30分です。ただしフルタイム勤務でこの水準を12週間維持するのは容易ではありません。維持できない前提で週25時間で計画し、余った日に前倒しするほうが崩れにくくなります。週20時間を下回る週が半分以上ある見込みなら、範囲をさらに削る設計が必要です。

3か月では何を捨てればよいですか。

配点の小さい順です。商法・会社法は20点(全体の6.7%)なので、設立と発起人、株式、取締役会と監査役、商法総則の頻出に絞り、5問中2問を目標にします。基礎法学は8点・2問なので、用語と法体系の確認までです。行政法総論の学説対立、民法の親族・相続の細部、一般知識の時事の細部も削れます。逆に削ってはいけないのは、基礎知識の行政書士法等と文章理解、記述式60点、行政法の4つの法律です。

3か月しかない場合、記述式は捨ててよいですか。

捨てられません。記述式を0点とすると、択一と多肢選択式だけで180点を作ることになります。多肢選択式で16点を取れたとしても、残り164点を5肢択一で埋めることになり、54問のうち41問、75.9%の正答が必要です。3か月でこの水準に届くのは現実的ではありません。一方で、必要な時間は週1時間で足ります。公表されている6年分は問44が行政法、問45と問46が民法という配分で動いていないため、的を絞れます。第4週から週1時間を確保すれば、9週間で18問前後を書けます。

計画が2週間遅れたらどうすればよいですか。

時間を増やして取り返すのではなく、範囲を削って吸収します。2週遅れなら、商法・会社法と基礎法学を第11週の予定から外し、その時間を遅れの吸収に回します。この2科目の合計は28点で、総得点への影響が最も小さい領域です。3週以上遅れた場合は、全科目に触れる計画をやめ、行政法112点と基礎知識56点に集中する設計へ切り替えます。翌週を前倒しして取り返す方法だけは避けてください。連鎖して崩れます。

当日の時間配分はどう決めればよいですか。

3時間180分で60問です。記述式3問に30分、多肢選択式3問に15分、5肢択一54問に135分(1問2分30秒)が目安です。見直しを残したい場合は択一を125分に圧縮します。この配分は第11週の通し演習で1回試し、自分の速度に合わせて調整してください。記述式は最後に回さないことが原則です。また試験案内には、択一式の採点段階で合格基準を満たさない場合は記述式を採点しないことがあると記載されているため、基礎知識14問を時間切れにすることは避けてください。