実務・開業2026年度試験対応
行政書士は副業でできる?会社員が登録前に確認する7項目【2026年版】
会社員を続けながら行政書士業務を副業にすることは、資格だけで決まりません。行政書士名簿への登録、勤務先の就業規則、事務所、平日日中の行政庁対応、受任できる業務、秘密・競業、帳簿と税務を同時に満たす必要があります。売上目標から案件を選ぶのではなく、完了まで責任を持てる時間と情報管理から受任範囲を決めます。
- 公開日
- 2026年8月2日
- 更新日
- 2026年8月2日
- 読了目安
- 約23分
- 法令基準日
- 2026年4月1日

会社員でも、行政書士となる資格を有し、日行連の行政書士名簿へ登録し、勤務先の副業ルールと行政書士法上の事務所・業務上の義務を満たせば、副業として行政書士業務を行う選択肢があります。ただし、試験合格だけで外部依頼を有償受任することはできません。厚生労働省は労働者に勤務先ルールを確認し、所定の方法で副業内容を届け出るよう案内しています。行政書士法は個人開業の行政書士に事務所、帳簿、報酬掲示、守秘などを求めます。週末だけで処理できるか、行政庁の受付時間に対応できるか、勤務先の秘密・競業と分離できるかを案件ごとに確認してから始めます。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 試験合格と行政書士名簿への登録は別で、登録前に行政書士業務を有償受任しない
- 勤務先の就業規則・届出手続と、労務提供・秘密・競業・信用の四つの制限理由を確認する
- 副業でも事務所、帳簿、報酬掲示、守秘、会則、研修など行政書士の義務は軽くならない
- 受任数は売上目標ではなく、行政庁対応・補正・依頼者連絡まで完了できる時間から決める
01結論:副業行政書士は可能だが、資格より先に運営条件を確認する
会社員が本業を続けながら行政書士として登録し、範囲を限定して業務を行う選択肢はあります。しかし『平日の夜と土日が空いている』『試験に合格した』という二点だけでは始められません。行政書士名簿への登録、勤務先ルール、事務所、行政庁の受付時間、受任範囲、守秘、帳簿、税務を一つずつ確認します。
行政書士法1条の3・1条の4は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署提出書類、権利義務・事実証明書類等の作成や一定の提出手続・相談を行う業務を定めています。副業だから友人の依頼だけ、報酬が少額だから趣味、オンラインだから事務所不要という例外は置いていません。業務を行うなら行政書士としての義務を守ります。
一方、勤務先との関係は行政書士法だけでは決まりません。厚生労働省は、労働者が自社の副業・兼業ルールを確認し、就業規則等に定められた方法で内容を届け出るよう案内しています。勤務先の許可と行政書士登録は互いの代わりにならないため、二つの手続を並行して確認してください。
02行政書士側と勤務先側の二つの入口を通る
一つ目の入口は行政書士制度です。行政書士となる資格を有し、日行連の行政書士名簿へ登録し、都道府県行政書士会へ入会します。個人で業務を行うなら事務所を設け、帳簿、報酬掲示、秘密保持、会則遵守などの体制を作ります。合格証を持っているだけの状態とは異なります。
二つ目の入口は雇用契約と就業規則です。副業を認めているか、届出か許可か、対象外の業種や競合範囲、週当たりの上限、情報機器の扱い、違反時の手続を確認します。求人ページに副業可と書かれていても、現在の就業規則や個別誓約書が同じ条件とは限りません。
どちらか一方だけを先に確定すると、登録費用や事務所準備をした後で勤務先の条件に合わない、または勤務先の了解を得た後で事務所が登録要件に合わないという手戻りが起きます。予定業務、営業時間、事務所所在地、使用機器、顧客層を一枚にし、所属予定会と勤務先へ同じ前提を示します。
| 確認先 | 主に確認すること | 確認が終わった状態 |
|---|---|---|
| 都道府県行政書士会・日行連 | 資格、登録属性、事務所、必要書類、会則 | 新規登録の要件と準備物が具体化 |
| 勤務先 | 就業規則、届出・許可、競業、秘密、時間 | 予定する副業内容で手続が完了 |
| 家主・管理規約等 | 事業利用、来客、看板、郵便、情報保管 | 事務所候補を使用できる |
| 自分の運営計画 | 行政庁対応、補正、期限、経理、研修 | 一件を完了できる時間を確保 |
03試験合格は資格の入口で、登録前の有償受任はしない
行政書士試験に合格すると、行政書士となる資格を有する人の一類型に該当します。しかし日行連の案内は、行政書士になるために行政書士名簿への登録を受ける必要があると明記しています。都道府県行政書士会を通じて必要書類を提出し、その会へ入会します。
登録前に『書類作成の手伝い』という名前で外部から報酬を受ければ安全というわけではありません。2026年施行の改正行政書士法は、行政書士等でない者による業務制限について、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て行うことを対象にする趣旨を明確にしています。業務の名称ではなく、依頼内容と対価、他法令による制限を確認します。
登録準備中にできるのは、公開法令・審査基準の学習、研修、業務フロー、契約・情報管理の設計などです。知人から案件を預かって登録完了後に日付を変える、会社の名義で受けて自分が処理する、といった迂回はしません。登録が完了し、扱う分野の体制が整ってから正式に受任します。
| 状態 | できる準備 | まだ行わないこと |
|---|---|---|
| 試験合格 | 登録要件・事務所・就業規則を確認 | 行政書士として外部依頼を有償受任 |
| 登録申請中 | 研修、書式、業務手順、設備を整備 | 登録済みと表示して集客・受任 |
| 登録完了 | 証票、職印、帳簿、報酬、契約を整備 | 未習熟分野を準備なしに受任 |
| 業務開始 | 受任範囲と処理上限の中で案件対応 | 時間不足でも依頼を抱え込む |
04個人開業と行政書士事務所・法人の使用人を混ぜない
副業の形は大きく分けて、自分の事務所を設けて個人開業する形と、行政書士または行政書士法人の使用人として勤務する形があります。日行連の新規登録案内は、使用人として登録する場合、勤務先である行政書士等との雇用契約書の写しが必要としています。
行政書士法8条は、個人で業務を行う行政書士に業務用事務所を設けるよう求め、二以上の事務所を設けることを禁止します。使用人である行政書士等は、自分の業務用事務所を設けてはならないとしています。行政書士事務所にアルバイトとして勤めながら別に個人受任する計画は、登録属性と事務所の制限を所属予定会へ確認しないまま進められません。
一般企業の社員が、会社の内部事務として自社の申請資料を作る場面と、個人の行政書士として外部顧客から依頼を受ける場面も分けます。本業の指揮命令、設備、顧客情報、費用と、副業事務所の契約・記録・口座・端末を混在させない運営が必要です。
| 形態 | 事務所 | 契約関係 | 先に確認すること |
|---|---|---|---|
| 個人開業の行政書士 | 自分の業務用事務所を一つ設ける | 依頼者と自ら受任 | 勤務先規程、事務所、処理時間、会費等 |
| 行政書士等の使用人 | 勤務先の行政書士事務所・法人 | 行政書士等との雇用契約 | 登録属性、勤務時間、担当範囲 |
| 一般企業の社内職務 | 会社の事業所 | 勤務先との雇用契約 | 社内業務と外部受任を区別 |
05就業規則は、副業可の一語ではなく四つの制限理由まで読む
厚生労働省の副業・兼業ガイドライン関連情報は、労働時間以外の時間をどう利用するかは基本的に労働者の自由という裁判例を踏まえ、副業・兼業を行える環境整備を示しています。同時に、労働者へ自社のルールを確認し、就業規則等に定められた方法で副業内容を届け出るよう案内しています。無断で始めてよいという説明ではありません。
厚生労働省は、使用者が副業を禁止・制限し得る例として、労務提供上の支障、企業秘密の漏えい、競業による利益侵害、企業の名誉・信用を損なう行為や信頼関係の破壊を挙げています。行政書士業務は、顧客の事業・身分・財産情報を扱い、本業と同じ業界の許認可を受任する可能性もあるため、四項目を具体的に説明できる計画が必要です。
届出書には『行政書士』だけでなく、個人開業か雇用か、予定分野、顧客層、作業場所、曜日・時間、会社設備を使わないこと、秘密と競合の分離方法を記載します。勤務先から条件が付いた場合は、口頭了解だけでなく、届出・許可の記録と条件を保存します。変更時の再届出も就業規則で確認してください。
| 観点 | 行政書士副業で起こり得る例 | 事前に示す対策 |
|---|---|---|
| 労務提供上の支障 | 深夜作業、平日の頻繁な離席、期限対応 | 稼働上限、休息、行政庁対応方法 |
| 企業秘密の漏えい | 本業の顧客・価格・申請情報を利用 | 端末・アカウント・保管・顧客を完全分離 |
| 競業による利益侵害 | 本業顧客へ同種サービスを提案 | 受任除外業種・顧客、事前確認 |
| 名誉・信用・信頼関係 | 肩書の誤用、不適切な広告、勤務先との混同 | 屋号・表示・連絡先を分離 |
06平日夜と週末だけでなく、行政庁・依頼者が動く時間を数える
副業時間を『毎週土曜の6時間』だけで計算すると、行政庁への照会、窓口提出、補正連絡、証明書取得など平日日中の作業が抜けます。電子申請できる業務でも、審査担当からの連絡や追加資料の期限まで夜間だけになるとは限りません。受任前に一件の全工程を時間帯別にします。
厚生労働省は、労働者に副業による過労で健康を害したり本業へ支障を来したりしないよう、自ら業務量、進捗、時間、健康状態を管理する必要があると案内しています。副業先が雇用契約なら、形態によって労働時間通算の取扱いが問題になります。個人事業だから健康管理が不要になるわけでもありません。
現実的な上限は、空き時間の合計ではなく、期限の重なる二件を同時に処理できるかで決めます。面談、資料待ち、行政庁照会、作成、レビュー、提出、補正、納品、請求を一件ずつ見積もり、突発対応の余白を残します。余白がない月は新規受任を停止するルールを先に決めます。
| 工程 | 起こりやすい時間帯 | 副業での確認 |
|---|---|---|
| 初回相談・本人確認 | 夜間・休日も調整可能 | 記録と受任判断の時間を含める |
| 行政庁への事前確認 | 平日日中 | 休暇・連携・受任除外のどれで対応するか |
| 資料収集・作成 | 夜間・休日 | 本業端末や職場を使わない |
| 提出・補正 | 制度により電子または平日日中 | 期限内に連絡・追加資料を処理できるか |
| 納品・請求・記録 | 夜間・休日も可能 | 帳簿と関係書類の保存まで含める |
07自宅開業は、住所だけでなく独立性・利用規約・情報管理を確認する
行政書士法8条は、個人開業の行政書士に業務を行うための事務所を設けるよう求めています。自宅の一室を事務所候補にすること自体だけで結論は出ません。賃貸借契約、管理規約、用途、来客、表札・郵便、家族の生活空間との区分、書類と端末の保管などを確認します。
日行連の新規登録案内は、事務所の所在等を確認するための書類を場合により必要とし、共同・合同事務所の届出様式も案内しています。具体的な確認資料や事務所基準は所属予定の都道府県行政書士会へ相談します。バーチャルオフィスや共有空間を広告だけで選ばず、相談・保管・秘密保持を実際に行えるかを示します。
勤務先の住所、電話、メール、複合機、クラウドを副業事務所として使ってはいけません。自宅でも、家族共用PC、開放棚、個人用無料メールへ依頼者資料を置けば、行政書士法12条の守秘と情報管理に耐えません。副業の小ささに合わせて安全基準を下げるのではなく、受任量を設備で安全に扱える範囲へ下げます。
- 事業利用を賃貸借契約・管理規約で確認する
- 相談場所と家族の生活空間を分ける
- 紙資料、端末、バックアップ、廃棄の方法を決める
- 所属予定会へ図面・写真等の必要資料を確認する
08受任分野は、仕事内容より本業との境界と処理可能性で選ぶ
行政書士の法定業務と他士業との境界は、仕事内容の記事で詳しく扱っています。副業で追加して考えるべきなのは、その中からどの分野なら本業の競業・秘密と衝突せず、限られた時間でも期限を守れるかです。業務一覧から収益性の高そうなものを選ぶ順序ではありません。
たとえば本業が建設会社なら建設業許可の知識を得やすい一方、勤務先の取引先や内部資料を使う危険があります。本業と無関係な在留・相続を選べば安全とも限らず、専門研修、本人確認、平日対応、他士業との連携が必要です。前職経験を使う部分と、会社に帰属する情報・関係を使わない部分を具体的に分けます。
行政書士法1条の3・1条の4は、他の法律で制限される業務を行えないとしています。副業で専門家との連携時間が少ないからといって、登記、税務、社会保険、紛争代理などの境界を越えられません。受任チェック表に他士業へ確認・紹介する条件を入れます。
| 判断軸 | 確認する質問 | 受任を見送る例 |
|---|---|---|
| 本業との関係 | 競合・取引先・秘密に触れないか | 本業顧客を副業へ誘導する |
| 受付時間 | 平日日中の照会・提出・補正に対応できるか | 期限内の連絡方法がない |
| 専門性 | 最新法令・審査基準・様式を確認したか | 過去の経験だけで扱う |
| 他士業との境界 | 登記・税・労務・紛争等を切り分けたか | 連携先がなく案件を抱え込む |
09最初の受任上限は、月の売上ではなく同時進行件数で決める
副業計画で月商だけを置くと、一件当たりの難易度と期限が消えます。最初は売上目標より、同時に何件まで状況を説明できるかを決めます。依頼者資料待ち、作成中、行政庁審査中、補正中、納品待ちを区別し、各案件に次に動く人と期限を記録します。
行政書士法11条は、正当な事由がある場合でなければ依頼を拒めないと定めています。だからこそ、広告で何でも受ける状態を作る前に、取扱分野、受付条件、対応地域、営業時間を明確にします。受任後の時間不足を正当化するための規定ではありません。処理能力を超える前に相談受付の範囲を狭めます。
初期は、標準工程を作れる一分野で、レビューや相談先を確保し、同時進行を一件から始める方法があります。これは収益を保証する目安ではなく、事故を防ぐ運営上の上限です。一件を終えたら実時間、補正、質問、収支を記録し、次の上限をデータで決めます。
10受任前に、本業・利益相反・期限・業務範囲を同じ順番で確認する
問い合わせが来たら、依頼内容を聞く前に本人確認と相手方・関係者を確認します。次に、本業の勤務先、取引先、競合、過去に職務で扱った情報との関係を確認します。関係がある場合は、秘密を使わずに処理できるかではなく、受任自体を避ける条件に当たるかを慎重に判断します。
続いて、行政書士法上扱える業務か、他法令で制限される部分がないか、行政庁・依頼者の期限に対応できるかを確認します。必要資料、作業範囲、報酬、実費、追加作業、連絡可能時間を書面で示し、依頼者の合意後に着手します。相談を受けた勢いで資料を預かり、後から範囲を決めないことが重要です。
断る場合も、依頼者の情報を必要以上に保存しません。他士業・他の行政書士へつなぐときは、本人の同意なく資料を送らず、紹介先が受任したか確認します。副業では対応時間が限られるため、受付から受任・不受任までの判断を標準化すると、曖昧な約束を減らせます。

- 1.本人・相手方・関係者を確認する
- 2.本業の勤務先・取引先・秘密・競業との関係を確認する
- 3.行政書士法と他士業法の業務範囲を確認する
- 4.期限、行政庁対応、処理能力を確認する
- 5.委任範囲・報酬・連絡方法を書面で合意する
11秘密保持は、黙っていることではなく情報経路を分離すること
行政書士法12条は、正当な理由なく業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならず、行政書士でなくなった後も同様と定めています。勤務先に対しても秘密保持・競業避止・誠実義務が問題になります。双方の秘密を同じ端末、クラウド、机、メールで扱わないことが出発点です。
本業の名刺、顧客名簿、契約書、社内マニュアル、申請履歴を副業の営業や案件へ使いません。副業の依頼者資料も勤務先へ持ち込まず、昼休みに会社PCで編集しません。ファイル名だけで内容が見える通知、家族共用端末、生成AIや外部サービスへの無確認入力など、意図しない流出経路も洗い出します。
利益相反の確認では、依頼者と相手方だけでなく、本業の勤務先、系列会社、主要取引先、自分の経済的利害を見ます。行政書士職務基本規則と所属会の会則を確認し、公正・誠実な職務を保てないおそれがある案件は受任しません。迷う案件を売上のために一人で判断せず、所属会や適切な相談先へ匿名化した前提で確認します。
| 対象 | 分離する内容 | 最低限の運用 |
|---|---|---|
| 端末・アカウント | PC、メール、クラウド、電話 | 勤務先設備を使わず多要素認証と権限管理 |
| 顧客・取引先 | 名簿、連絡履歴、紹介経路 | 本業関係者を受任除外条件で確認 |
| 紙資料 | 申請資料、本人確認、契約、控え | 施錠保管、持出記録、適切な廃棄 |
| 知識・資料 | 社内マニュアル、非公開審査情報 | 公開法令・公表資料から業務手順を作る |
| 表示 | 肩書、勤務先名、屋号、住所 | 勤務先公認と誤認させない |
12行政書士の事件簿と税務の帳簿を、目的別に両方整える
行政書士法9条は、業務に関する帳簿を備え、事件名、年月日、報酬額、依頼者の住所氏名などを記載し、関係書類とともに帳簿閉鎖時から2年間保存するよう求めています。これは行政書士業務の適正管理に関する帳簿です。税務上の収入・必要経費の記帳と同じ項目だけとは限りません。
国税庁は、事業所得等を生ずべき業務を行う全ての人に記帳・帳簿等の保存制度を案内しています。また、業務に係る雑所得についても、前々年分の収入金額が300万円を超える場合の現金預金取引等関係書類の保存などを案内しています。所得が事業所得か雑所得かは、名称や本人の希望ではなく活動の実態を踏まえて判断します。
給与所得者の確定申告について、国税庁は、一か所から給与を受け年末調整されるなど所定の前提で、給与・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合を申告が必要な例として示しています。20万円は売上ではなく所得金額であり、条件のある所得税の取扱いです。住民税などを含め『20万円以下なら何も不要』とは言い切れないため、自治体・税務署等の最新案内を確認します。
| 記録 | 目的 | 主な内容 | 確認元 |
|---|---|---|---|
| 行政書士法上の帳簿 | 事件管理と職務の適正 | 事件、日付、報酬、依頼者等 | 行政書士法9条・所属会 |
| 委任・作業記録 | 範囲、説明、期限、補正の証拠 | 契約、本人確認、連絡、提出控え | 職務基本規則・業務手順 |
| 税務帳簿 | 所得と申告の計算 | 売上、入金、必要経費、資産等 | 国税庁 |
| 勤務先手続 | 副業条件の遵守 | 届出・許可、条件、変更報告 | 就業規則・人事窓口 |
13副業収入は、公的な一律平均ではなく一件ごとの利益で判断する
行政書士の副業収入に、公的に保証された平均額はありません。報酬は分野、地域、難易度、追加資料、外注、交通、ソフト、会費、事務所費などで変わります。売上と所得、手取りを混ぜず、一件ごとに受け取った報酬、預り実費、外注・交通・通信等を分けます。
副業は本業収入があるため赤字でも続けられると考えやすい一方、依頼者は副業か専業かにかかわらず同じ品質と期限を期待します。低価格で受任して調査・補正時間を削る運営は続きません。報酬額は事務所に掲示し、追加作業と実費を委任時に説明します。
年収や独立後の収入構造は既存の年収記事で、公的統計の母集団と限界を分けて扱っています。この記事では収入予測を作らず、副業一件が本業、行政書士法、時間、情報管理、税務を満たして利益を残せるかを判断します。最初の数件は、利益だけでなく実時間と補正回数を記録してください。
14副業行政書士で避けたい七つの始め方
第一は、合格直後に登録前の依頼を受けることです。第二は、副業可という社内の評判だけで就業規則と届出を確認しないことです。第三は、自宅住所を登録できると決め、賃貸借契約、管理規約、情報保管を後回しにすることです。
第四は、土日だけで完結すると考え、平日日中の行政庁対応を数えないことです。第五は、本業と近い分野なら詳しいという理由で、顧客・秘密・競業の確認を省くことです。第六は、行政書士の業務範囲を越える部分まで一人で抱えることです。
第七は、20万円という数字だけを見て帳簿を作らないことです。行政書士法上の帳簿と、所得を計算する税務記録は別の目的があります。七つに共通する原因は、小規模なら義務も軽いという思い込みです。小さく始めるとは、義務を省くことではなく、受任件数と分野を安全に管理できる範囲へ絞ることです。
- 1.登録完了前に有償受任しない
- 2.勤務先の正式なルールと届出を確認する
- 3.事務所の使用条件と情報管理を確認する
- 4.平日日中の対応時間を含める
- 5.本業の顧客・秘密・競業を分離する
- 6.他士業との境界を越えない
- 7.行政書士帳簿と税務記録を残す
15今日やること:副業計画を七項目で書き、登録前相談へ持参する
一枚の計画書に、資格根拠、登録形態、事務所候補、勤務先の届出方法、取扱予定分野、週の稼働時間、情報・帳簿の管理方法を書きます。空欄が一つでもあれば、広告や顧客探しより先に確認します。金額目標は最後に置き、一件の全工程を安全に完了できるかから判断します。
所属予定の都道府県行政書士会には、会社員であること、個人開業か使用人か、事務所候補、開始予定時期を伝え、必要書類と事務所確認を相談します。勤務先には、業務分野、顧客層、作業場所、時間、会社設備を使わないこと、競業・秘密の分離を示し、就業規則どおりに届け出ます。
二つの確認が終わったら、扱う分野を一つ選び、公開法令・審査基準を読み、受付から納品までのチェック表を作ります。行政書士法の業務・事務所・帳簿・守秘を一問一答で確認し、既存の仕事内容と法改正の記事で境界を復習してください。受任は登録完了と業務体制の整備後です。
よくある質問
会社員は行政書士を副業にできますか?
行政書士となる資格を有し、日行連の行政書士名簿へ登録し、勤務先の就業規則・届出と行政書士法上の事務所・義務を満たせば、副業として行う選択肢があります。平日日中の行政庁対応、秘密・競業、処理時間まで具体化し、所属予定会と勤務先の双方へ開始前に確認してください。
行政書士試験に合格すればすぐ副業を始められますか?
試験合格は行政書士となる資格を得るルートの一つですが、行政書士として外部依頼を受けるには日行連の行政書士名簿への登録が必要です。都道府県行政書士会を通じた登録・入会、事務所、証票、職印、帳簿、報酬掲示、情報管理などを整えてから受任します。
行政書士の副業は会社へ届け出る必要がありますか?
勤務先の就業規則・雇用契約で確認します。厚生労働省は労働者に自社の副業・兼業ルールを確認し、就業規則等に定められた方法で副業内容を届け出るよう案内しています。行政書士登録を受けても勤務先の届出・許可を省略できるわけではありません。
自宅を行政書士の副業事務所にできますか?
自宅という理由だけで可否は決まりません。行政書士法8条の事務所要件に加え、賃貸借契約・管理規約、事業利用、来客、家族空間との区分、紙・端末の保管などを確認します。所属予定の都道府県行政書士会へ、事務所の所在等を示す必要書類と具体的な基準を相談してください。
行政書士の副業は土日だけでできますか?
書類作成や相談の一部は土日にもできますが、行政庁への事前確認、窓口提出、補正連絡、証明資料の取得などが平日日中になる業務があります。受任前に全工程と期限を確認し、平日対応できない業務は扱わないか、適法な連携体制を整えます。
行政書士の副業所得は20万円以下なら申告不要ですか?
国税庁は、一か所から給与を受け年末調整されるなど所定の条件で、給与・退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下なら所得税の確定申告を原則要しない場合を案内しています。ただし20万円は売上ではなく所得で、還付申告をする場合や住民税など別の取扱いがあります。帳簿を作らなくてよい基準でもないため、税務署・自治体の最新案内を確認してください。
この記事の参照元
法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。
- e-Gov法令検索 行政書士法確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 日本行政書士会連合会 行政書士になるには確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 日本行政書士会連合会 新規登録の手続確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 日本行政書士会連合会 行政書士職務基本規則確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 厚生労働省 副業・兼業と労働条件確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 厚生労働省 副業・兼業に関する事業者向けQ&A確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 国税庁 個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 国税庁 No.1500 雑所得確認日 2026年8月2日別画面で開く