2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

行政法

審査請求の対象と不服申立ての種類

現行法は一般概括主義で、7条1項の12類型と固有の資格の場合だけが例外です。処分への審査請求は「不服がある者」と広いのに不作為は申請者に限られる点、再調査の請求が個別法に定めのある例外的手続である点で落とします。

要点 8件・確認問題 8

最初に確認

不服申立ての対象

旧訴願法は訴願事項を列挙する列記主義であったが、現行法は2条・3条で行政庁の処分および法令に基づく申請に対する不作為を包括的に対象とする一般概括主義を採用する。例外は7条1項が列挙する適用除外(国会の両院の議決による処分、裁判の執行としてされる処分、学識技能に関する試験の結果についての処分など)と、7条2項の固有の資格に基づく処分に限られる。

覚え方原則は概括、除外は7条の限定列挙

01重要暗記項目

01
重要度 S

不服申立ての対象

旧訴願法は訴願事項を列挙する列記主義であったが、現行法は2条・3条で行政庁の処分および法令に基づく申請に対する不作為を包括的に対象とする一般概括主義を採用する。例外は7条1項が列挙する適用除外(国会の両院の議決による処分、裁判の執行としてされる処分、学識技能に関する試験の結果についての処分など)と、7条2項の固有の資格に基づく処分に限られる。

ひっかけ注意「列記主義」と「概括主義」を入れ替える肢が基本形。7条1項が原則を定めた規定ではなく適用除外を定めた規定である点も押さえる。

02
重要度 A

再審査請求の対象

再審査請求は、法律に再審査請求ができる旨の定めがある場合に、審査請求の裁決に不服がある者が、当該法律に定める行政庁に対してする(6条1項2項)。対象は原裁決又は当該審査請求に係る処分(原裁決等)であり、原処分の違法・不当も争える。取消訴訟について行政事件訴訟法10条2項が原処分主義を採り、裁決取消訴訟では処分の違法を主張できないのと対照的である。

ひっかけ注意取消訴訟の原処分主義を持ち込み「再審査請求では原裁決固有の瑕疵しか争えない」とする肢が狙われる。

03
重要度 A

処分についての審査請求の認容

処分についての審査請求に理由があるときは、審査庁は裁決で当該処分の全部もしくは一部を取り消し、又はこれを変更する(46条1項本文)。ただし審査庁が処分庁の上級行政庁でも処分庁でもない場合は、処分を変更することができない(同項ただし書)。事実上の行為についても、処分庁の上級行政庁以外の審査庁は当該事実上の行為の変更を命ずることができない(47条ただし書)。執行停止の権限配分と同じ発想である。

ひっかけ注意「取消しも変更もできない」とする肢や、逆に「変更もできる」とする肢。できないのは変更だけである。

04
重要度 S

再調査の請求と審査請求の関係

再調査の請求をしたときは、その決定を経た後でなければ審査請求をすることができない(5条2項本文)。例外は①再調査の請求をした日の翌日から起算して3か月を経過しても処分庁が決定をしない場合②その決定を経ないことにつき正当な理由がある場合である(同項ただし書)。この例外により審査請求がされたときは、当該再調査の請求は取り下げられたものとみなされる(56条)。

ひっかけ注意再調査の請求をするかどうかが自由選択であることと、いったん選んだ後に決定を経ずに審査請求へ移れるかどうかを混同させる肢。

05
重要度 A

不作為についての審査請求

不作為についての審査請求は、①法令に基づく申請をした者が、②当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、③行政庁が何らの処分もしないときにすることができる(3条)。処分についての審査請求(2条)が「行政庁の処分に不服がある者」と広いのに対し、不作為については申請者本人に限られ、申請していない第三者はできない。また不作為には審査請求期間の定めがなく、不作為の状態が続く限りいつでも審査請求できる。

ひっかけ注意処分についての審査請求の広い申立人適格を不作為にも及ぼす肢。不作為に期間制限がないことも落としやすい。

06
重要度 A

再審査請求期間

再審査請求期間は、原裁決があったことを知った日の翌日から起算して1か月(62条1項)、原裁決があった日の翌日から起算して1年(同2項)で、いずれも正当な理由があるときは例外となる。主観的期間が審査請求や再調査の請求の3か月より短いのは、すでに審査請求という慎重な手続を経ているためである。同じく1か月とされるのは、再調査の請求についての決定を経た後にする審査請求である。

ひっかけ注意3か月と1か月を入れ替える肢が定番。客観的期間はいずれも1年で共通するため、主観的期間の違いだけを覚え違えやすい。

07
重要度 S

再調査の請求の要件

再調査の請求は、①処分庁以外の行政庁に審査請求ができる処分であり、②法律に再調査の請求ができる旨の定めがある場合に、③処分庁に対してする簡易な手続である(5条1項)。国税、関税、公害健康被害の補償などに定めがある。すでに審査請求をしたときは再調査の請求をすることができない(同項ただし書)。事実関係の調査を簡易迅速に行わせる趣旨の制度であり、大量に行われる処分について設けられている。

ひっかけ注意「どの処分についても再調査の請求を選べる」とする肢。再調査の請求は個別法に定めがある場合の例外的手続である。

08
重要度 A

行政不服審査法の目的

行政不服審査法の目的は、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することにある(1条1項)。審査庁は処分の違法性だけでなく、裁量権の行使が妥当を欠くという「不当」まで審査できるため、裁量処分については取消訴訟より広い救済を受けられる点が最大の実益である。

ひっかけ注意「審査請求でも取消訴訟と同じく違法性しか争えない」とする肢。裁量の当・不当を争えることが不服申立ての固有の強みである。

行政法の暗記表を見る →

02正誤を分ける確認順

  1. 1対象が処分か不作為かを分ける。不作為は法令に基づく申請をした者に限られ、審査請求期間の定めもない
  2. 27条1項の適用除外12類型と、7条2項の固有の資格に基づく処分に当たらないかを確認する
  3. 3使える手続を選ぶ。再調査の請求も再審査請求も法律に定めがある場合だけで、原則は審査請求だけである

03覚える数値

適用除外 7条1項の12類型
再調査の決定を経ずに審査請求できる 3か月経過

04本試験の引っかけ

  • 審査請求でも取消訴訟と同じく違法性しか争えないとする肢。裁量の当・不当まで争えるのが不服申立て固有の強み
  • 地方公共団体は常に審査請求できないとする肢。庁舎の建築確認のように一般私人と同じ立場なら審査請求できる
  • どの処分についても再調査の請求を選べるとする肢。国税・関税など法律に定めがある場合の例外的手続にすぎない

05おさえる判例

  • 主婦連ジュース事件最判昭和53年3月14日

    公正競争規約の認定について、一般消費者の受ける利益は反射的利益にすぎず法律上保護された利益に当たらないとして不服申立適格を否定した

  • 朝日訴訟(地位の承継)最大判昭和42年5月24日

    生活保護の保護受給権は要保護者本人の最低限度の生活を維持するための一身専属の権利であり、相続人による承継を否定した

06一次情報

基準日
2026年4月1日
解説
編集部による書き下ろし。過去問本文は転載していません。

問題演習

審査請求の対象と不服申立ての種類の○×一問一答

1/8解答 0・正解 0

行政法重要度 S頻出度 13/24(編集部の目安)

再調査の請求の要件

行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合において、法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときに限り、当該処分に不服がある者は処分庁に対して再調査の請求をすることができる。

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行政法240問、民法180問を中心に6科目を収録。

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