2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

民法

共有と相隣関係

令和3年改正で「変更は全員同意」に軽微変更の例外ができ、越境した枝も一定の場合に自ら切り取れるようになりました。改正前の知識のまま解くと軒並み外れる領域で、保存・管理・変更の三分法と期間の数字が要になります。

要点 4件・確認問題 4

最初に確認

共有物の管理と変更

251条1項は共有物の変更に共有者全員の同意を要求するが、括弧書で「その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの」(軽微変更)を除く。軽微変更と管理行為は各共有者の持分の価格の過半数で決し(252条1項)、保存行為は各共有者が単独でできる(252条5項)。共有者の所在等が不明なとき、または催告しても賛否を明らかにしないときは、裁判所の裁判によりその者以外の共有者の持分の過半数で決することができる(251条2項・252条2項)。

覚え方著しい変更は全員、軽微変更と管理は過半数、保存は単独

01重要暗記項目

01
重要度 S

共有物の管理と変更

251条1項は共有物の変更に共有者全員の同意を要求するが、括弧書で「その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの」(軽微変更)を除く。軽微変更と管理行為は各共有者の持分の価格の過半数で決し(252条1項)、保存行為は各共有者が単独でできる(252条5項)。共有者の所在等が不明なとき、または催告しても賛否を明らかにしないときは、裁判所の裁判によりその者以外の共有者の持分の過半数で決することができる(251条2項・252条2項)。

ひっかけ注意「変更行為は例外なく全員の同意が必要」とする改正前の記述が誤りとして出る。軽微変更は持分の過半数で足りる。

02
重要度 A

共有物の分割

各共有者はいつでも分割を請求できるが、5年を超えない期間で不分割特約を結ぶことができ、更新も5年が上限である(256条)。258条2項は裁判上の分割方法として現物分割(1号)と賠償分割(2号)を並列で定め、これらの方法によることができないとき、または分割によって価格を著しく減少させるおそれがあるときに競売分割を命じる(3項)。共有物の全部または持分が相続財産に属し遺産分割をすべき場合は258条によれないが、相続開始から10年を経過すれば可能となる(258条の2)。

ひっかけ注意賠償分割を競売分割の後順位に置く誤りが狙われる。改正後は現物分割と賠償分割が並列で、競売は補充的である。

03
重要度 A

共有物への短期賃借権の設定

252条4項は、管理として設定できる賃借権等の期間を、樹木の栽植または伐採を目的とする山林の賃借権は10年、その他の土地の賃借権は5年、建物の賃借権は3年、動産の賃借権は6箇月と定める。これを超える期間の賃借権の設定は変更にあたり全員の同意が必要となる。もっとも借地借家法の適用がある建物賃貸借は法定更新により長期化するため、実務上は全員の同意によることになる。期間を定めない賃貸借も同様に扱われる。

ひっかけ注意建物賃貸借を3年以内にすれば常に持分の過半数で設定できるとする誤りが狙われる。借地借家法の適用があれば実質は長期化する。

04
重要度 A

竹木の枝の切除

233条1項は、越境した枝について竹木の所有者に切除させることができるとする。令和3年改正で新設された3項により、竹木の所有者に催告したのに相当の期間内に切除しないとき、竹木の所有者を知ることができずまたはその所在を知ることができないとき、急迫の事情があるときは、土地の所有者が自ら切り取れる。竹木が共有の場合は各共有者が単独で切り取れる(2項)。これに対し越境した根は、催告を要せず自ら切り取れる(4項)。

ひっかけ注意枝も根と同様に常に自ら切り取れるとする誤り、逆に枝は改正後も一切自力で切れないとする誤りの双方が狙われる。

民法の暗記表を見る →

02正誤を分ける確認順

  1. 1行為を保存・管理・軽微変更・変更に仕分ける。保存は単独、管理と軽微変更は持分価格の過半数、著しい形状効用の変更は全員同意
  2. 2賃借権の設定なら252条4項の期間で判定する。山林10年・土地5年・建物3年・動産6か月を超えれば変更として全員同意が要る
  3. 3相隣関係では枝と根を分ける。根は自ら切り取れるが、枝は催告・所在不明・急迫の事情の3つの場合に限って自ら切り取れる

03覚える数値

共有物への短期賃借権 山林10年・土地5年・建物3年・動産6か月
不分割特約 5年以内(更新も5年以内)
遺産共有の分割 相続開始から10年

04本試験の引っかけ

  • 持分の「過半数」を人数の過半数とする肢。基準は持分の価格である
  • 枝と根の切除の扱いを入れ替える肢。催告なしに自ら切り取れるのは根のほう
  • 賠償分割は判例上認められるだけで条文にないとする肢。258条2項が現物分割と並べて明記している

05おさえる判例

  • 通行地役権と承役地の譲受人最判平成10年2月13日

    譲渡時に継続的な通路としての使用が客観的に明らかで譲受人が認識可能なら、譲受人は地役権設定登記の欠缺を主張する正当な利益を有する第三者に当たらない

06一次情報

根拠
民法
基準日
2026年4月1日
解説
編集部による書き下ろし。過去問本文は転載していません。

問題演習

共有と相隣関係の○×一問一答

1/4解答 0・正解 0

民法重要度 S頻出度 14/24(編集部の目安)

共有物の管理と変更

共有物にその形状または効用の著しい変更を伴わない変更を加えるには、共有者全員の同意を得なければならない。

全620問から科目・重要度で解く

行政法240問、民法180問を中心に6科目を収録。

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