2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

民法

取得時効と消滅時効

消滅時効は知った時から5年・行使できる時から10年の二本立てで、早い方の満了で完成します。取得時効では善意無過失を占有開始時だけで判断すること、186条が無過失までは推定しないことが定番の落とし穴です。

要点 4件・確認問題 4

最初に確認

債権の消滅時効

166条1項は、債権者が権利を行使できることを知った時(主観的起算点)から5年、権利を行使することができる時(客観的起算点)から10年の二本立てとし、いずれか早い方の満了で時効が完成する。人の生命または身体の侵害による損害賠償請求権は、167条により客観的起算点からの期間が20年に伸長される。債権または所有権以外の財産権は行使できる時から20年である(166条2項)。所有権そのものは消滅時効にかからない。

覚え方知って五年・行使できて十年、生命身体は十年が二十年に

01重要暗記項目

01
重要度 S

債権の消滅時効

166条1項は、債権者が権利を行使できることを知った時(主観的起算点)から5年、権利を行使することができる時(客観的起算点)から10年の二本立てとし、いずれか早い方の満了で時効が完成する。人の生命または身体の侵害による損害賠償請求権は、167条により客観的起算点からの期間が20年に伸長される。債権または所有権以外の財産権は行使できる時から20年である(166条2項)。所有権そのものは消滅時効にかからない。

ひっかけ注意「所有権も20年で時効消滅する」とする誤りが狙われる。所有権は消滅時効にかからず、取得時効による反射的消滅があるにすぎない。

02
重要度 S

所有権の取得時効

162条1項は20年の長期取得時効を、2項は占有開始時に善意無過失であった場合の10年の短期取得時効を定める。善意無過失は占有開始時に判断すれば足り、途中で悪意になっても10年で足りる。186条1項により所有の意思・善意・平穏・公然は推定されるが、無過失は推定されないため占有者が立証する。占有の承継人は自己の占有のみを主張することも前の占有者の占有を併せて主張することもでき、併せる場合は瑕疵も承継する(187条)。

ひっかけ注意善意無過失を時効期間中ずっと必要とする誤りが狙われる。占有開始時に備わっていればよい。

03
重要度 S

時効の完成猶予と更新

催告は6箇月の完成猶予を生じるが、猶予中に再度催告しても効力はない(150条)。協議を行う旨の書面または電磁的記録による合意は、合意から1年、当事者が定めた1年未満の協議期間、協議続行拒絶の通知から6箇月のいずれか早い時まで完成猶予を生じ、再度の合意で延長できるが本来の完成時から通算5年が上限である(151条)。裁判上の請求は事件終了まで完成猶予し、確定判決等で権利が確定すれば更新される(147条)。承認は更新事由で、処分の能力や権限を要しない(152条)。

ひっかけ注意催告を繰り返せば猶予が延びるとする誤りが定番。再度の催告に完成猶予の効力はない。

04
重要度 A

時効の援用

145条は、時効は当事者が援用しなければ裁判所がこれによって裁判をすることができないとし、消滅時効については保証人・物上保証人・第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を当事者に含める。判例は、後順位抵当権者は先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用できないとする。時効の利益はあらかじめ放棄できない(146条)が完成後の放棄は可能であり、時効完成を知らずに債務を承認した者は信義則上その時効を援用できない(最判昭和41年4月20日)。

ひっかけ注意後順位抵当権者が先順位抵当権の被担保債権の時効を援用できるとする誤りが狙われる。判例は否定する。

民法の暗記表を見る →

02正誤を分ける確認順

  1. 1取得時効なら占有開始時の善意無過失の有無で20年か10年かを決める。途中で悪意になっても短期時効は妨げられない
  2. 2消滅時効なら主観的起算点から5年と客観的起算点から10年を並べ、早く満了する方を採る
  3. 3完成猶予と更新を仕分ける。催告は6か月の猶予にとどまり、承認は更新事由で処分の権限も行為能力も要らない

03覚える数値

取得時効 20年・占有開始時に善意無過失なら10年
消滅時効 知った時から5年・行使できる時から10年
生命身体の侵害 客観的起算点から20年
協議を行う旨の合意 通算5年が上限

04本試験の引っかけ

  • 善意無過失が時効期間を通じて必要とする肢。判断するのは占有開始時だけである
  • 催告を繰り返せば時効を無限に延ばせるとする肢。猶予中の再度の催告は効力を生じない
  • 後順位抵当権者が先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用できるとする肢。判例は援用権を否定する

05おさえる判例

  • 占有者の無過失の推定最判昭和41年6月9日

    動産取引では188条により前主の権利が推定される結果、譲受人は無過失であると推定され、無過失の立証責任を負わない

06一次情報

根拠
民法
基準日
2026年4月1日
解説
編集部による書き下ろし。過去問本文は転載していません。

問題演習

取得時効と消滅時効の○×一問一答

1/4解答 0・正解 0

民法重要度 S頻出度 15/24(編集部の目安)

債権の消滅時効

債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、または権利を行使することができる時から10年間行使しないときに、時効によって消滅する。

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行政法240問、民法180問を中心に6科目を収録。

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