行政法
義務付け訴訟・差止訴訟と無効等確認訴訟
申請型義務付け訴訟には重大な損害も補充性も要らず、代わりに取消訴訟等の併合提起が必須という要件の違いが軸です。非申請型の要件をそのまま申請型に当てはめる誤りと、無効確認の補充性の落としが二大失点です。
要点 3件・確認問題 3問
無効等確認訴訟と出訴期間
38条は取消訴訟以外の抗告訴訟に11条から13条、16条から19条、21条から23条、24条、33条、35条などを準用するが、出訴期間(14条)と原告適格(9条)は準用しない。無効な処分は当初から効力を生じないため、出訴期間の制限なくいつでも争える。無効等確認の訴えには執行停止(25条から29条)や第三者効(32条2項)の規定が準用される(38条3項)。出訴期間を徒過した後の救済手段として機能する。
覚え方無効確認に出訴期間はない。だから6か月を過ぎた後の受け皿になる
01重要暗記項目
無効等確認訴訟と出訴期間
38条は取消訴訟以外の抗告訴訟に11条から13条、16条から19条、21条から23条、24条、33条、35条などを準用するが、出訴期間(14条)と原告適格(9条)は準用しない。無効な処分は当初から効力を生じないため、出訴期間の制限なくいつでも争える。無効等確認の訴えには執行停止(25条から29条)や第三者効(32条2項)の規定が準用される(38条3項)。出訴期間を徒過した後の救済手段として機能する。
ひっかけ注意無効確認にも出訴期間があるとする肢と、取消訴訟にも出訴期間がないとする肢の両方向が出る。無効な処分は当初から効力を生じない。
申請型義務付け訴訟の要件
申請型義務付け訴訟の要件は、①当該申請に対し相当の期間内に何らの処分もされないこと(不作為型)、又は②当該申請を却下しもしくは棄却する処分がされた場合においてそれが取り消されるべきものであり、もしくは無効・不存在であること(拒否型)のいずれかに該当することである(37条の3第1項)。重大な損害も補充性も要求されない。原告適格は法令に基づく申請又は審査請求をした者に限られる(同2項)。
ひっかけ注意非申請型の要件(重大な損害・補充性)をそのまま申請型に当てはめる混同が最頻出。申請型では申請さえしていれば損害の立証を要しない。
申請型義務付け訴訟の併合提起
申請型義務付け訴訟では、不作為型なら不作為の違法確認の訴え、拒否型なら当該処分の取消訴訟又は無効等確認の訴えを併合して提起しなければならない(37条の3第3項)。併合された訴えに係る弁論および裁判は分離しないでしなければならない(同4項)。認容には、併合された訴えに係る請求に理由があることに加え、処分をすべきことが根拠法令から明らかであるか、しないことが裁量権の逸脱濫用となることが必要である(同5項)。
ひっかけ注意併合提起を任意と読ませる肢が典型。条文は「しなければならない」であり、併合を欠く義務付けの訴えは不適法却下となる。
02正誤を分ける確認順
- 1申請をした者かどうかで義務付け訴訟の類型を分ける。申請型は併合提起が必須、非申請型は重大な損害と補充性が必要
- 2差止訴訟は重大な損害を積極要件とし、他に適当な方法があるときは提起できないという除外事由が付く点を確認する
- 3無効等確認訴訟では、現在の法律関係に関する訴えでは目的を達せられないという補充性まで満たすかを見る
03覚える数値
- 非申請型義務付け 重大な損害+補充性
- 申請型義務付け 取消訴訟等の併合提起が必須
- 無効等確認訴訟 出訴期間の制限なし
04本試験の引っかけ
- 申請型義務付け訴訟にも重大な損害の立証が要るとする肢。申請さえしていれば不要である
- 併合提起を任意と読ませる肢。条文は「しなければならない」であり、欠けば不適法却下となる
- 無効等確認訴訟に出訴期間があるとする肢。38条は14条を準用せず、いつでも争える
05おさえる判例
もんじゅ訴訟最判平成4年9月22日
原子炉設置許可の基準は周辺住民の生命・身体の安全を個別的利益としても保護する趣旨を含むとし、無効確認の補充性の要件も柔軟に解した
06一次情報
- 根拠
- 行政事件訴訟法
- 基準日
- 2026年4月1日
- 解説
- 編集部による書き下ろし。過去問本文は転載していません。
問題演習
義務付け訴訟・差止訴訟と無効等確認訴訟の○×一問一答
1/3問解答 0・正解 0
行政法重要度 S頻出度 20/24(編集部の目安)
申請型義務付け訴訟の要件
法令に基づく申請をした者が提起する義務付けの訴えは、処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつその損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り提起することができる。
全620問から科目・重要度で解く
行政法240問、民法180問を中心に6科目を収録。