2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

民法

婚姻と離婚

婚姻が無効になるのは意思がない場合と届出がない場合だけで、適齢違反・重婚・近親婚は取消しにとどまり効力は将来に向かってのみ生じます。再婚禁止期間の規定が削除された点、財産分与の請求期限が5年になった点も狙われます。

要点 7件・確認問題 7

最初に確認

裁判上の離婚原因

770条1項が掲げる離婚原因は、配偶者に不貞な行為があったとき、配偶者から悪意で遺棄されたとき、配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、その他婚姻を継続し難い重大な事由があるときの4つである。旧4号の「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」は、実質的に現4号で判断できるとして令和6年改正で削除された。1号から3号の事由があっても、裁判所は一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは請求を棄却できる(同2項)。

覚え方不貞・悪意の遺棄・三年生死不明・重大な事由の四つ

01重要暗記項目

01
重要度 A

裁判上の離婚原因

770条1項が掲げる離婚原因は、配偶者に不貞な行為があったとき、配偶者から悪意で遺棄されたとき、配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、その他婚姻を継続し難い重大な事由があるときの4つである。旧4号の「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」は、実質的に現4号で判断できるとして令和6年改正で削除された。1号から3号の事由があっても、裁判所は一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは請求を棄却できる(同2項)。

ひっかけ注意「強度の精神病」を離婚原因として掲げる記述が誤りとして出る。2026年4月1日施行の改正で削除された。

02
重要度 A

婚姻の成立要件

731条の婚姻適齢は男女とも18歳である。成年年齢も18歳に引き下げられたため、婚姻による成年擬制を定めていた753条は削除された。婚姻は戸籍法の定めるところにより届け出ることによって効力を生じる(739条1項)。婚姻適齢に違反した婚姻は無効ではなく取消しの対象であり、各当事者・その親族・検察官が家庭裁判所に請求する(744条1項)。ただし検察官は当事者の一方が死亡した後は請求できない。

ひっかけ注意婚姻適齢違反の婚姻を無効とする誤りが狙われる。無効事由は婚姻意思の欠缺と届出の欠如だけである。

03
重要度 A

婚姻の無効と取消し

婚姻が無効となるのは、当事者間に婚姻をする意思がないときと当事者が婚姻の届出をしないときの2つに限られる(742条)。婚姻適齢違反・重婚・近親婚は取消原因にとどまる。取消しは家庭裁判所に請求してはじめて認められ、その効力は将来に向かってのみ生じるため(748条1項)、取消し前に生まれた子は嫡出子のままである。重婚の場合は当事者・親族・検察官のほか前婚の配偶者も取消しを請求できる(744条2項)。

ひっかけ注意婚姻の取消しに遡及効があるとする誤りが狙われる。748条1項により将来に向かってのみ効力を生じる。

04
重要度 S

嫡出の推定

772条1項は、妻が婚姻中に懐胎した子だけでなく、婚姻前に懐胎して婚姻の成立後に生まれた子も夫の子と推定する。同条2項は、婚姻の成立の日から200日以内に生まれた子を婚姻前の懐胎、200日を経過した後または婚姻の解消・取消しの日から300日以内に生まれた子を婚姻中の懐胎と推定する。女が子を懐胎した時から出生までの間に2以上の婚姻をしていたときは、出生の直近の婚姻における夫の子と推定される(3項)。

ひっかけ注意婚姻成立後200日以内に生まれた子は推定を受けないとする改正前の記述が誤りとして出る。現行法では夫の子と推定される。

05
重要度 A

財産分与

768条1項の財産分与請求権は協議上の離婚をした者の一方に認められ、裁判上の離婚にも準用される(771条)。家庭裁判所への協議に代わる処分の請求は、令和6年改正により離婚の時から2年から5年に延長された(768条2項ただし書)。同条3項は婚姻中に取得・維持した財産の額、寄与の程度、婚姻の期間、生活水準、年齢・心身の状況・職業・収入などを考慮要素として列挙し、寄与の程度は異なることが明らかでないときは相等しいものとするという2分の1ルールを明文化した。

ひっかけ注意請求期間を改正前の2年とする記述が誤りとして出る。2026年4月1日施行の改正で5年に延長された。

06
重要度 A

再婚禁止期間の廃止

733条の再婚禁止期間は、最大判平成27年12月16日が100日を超える部分を憲法14条1項・24条2項に違反すると判断したことを受けて100日に短縮された。その後、嫡出推定の見直しにより772条3項が「出生の直近の婚姻における夫の子」と推定する規定を置いて父性推定の重複が生じなくなったため、令和4年改正で733条自体が削除された。したがって現行法では前婚解消の翌日に再婚届を出しても受理される。

ひっかけ注意現在も100日の再婚禁止期間があるとする記述が誤りとして出る。条文自体が削除されている。

07
重要度 B

夫婦の氏

750条は夫婦が婚姻の際に定めるところに従い夫または妻の氏を称するとする。最大判平成27年12月16日は、氏の変更を強制されない自由が憲法上の権利として保障される人格権の一内容とはいえないとし、夫婦同氏制は憲法13条・14条1項・24条に違反しないとした。同日の別の大法廷判決は再婚禁止期間の100日超過部分を違憲としており、結論が分かれている。婚姻により氏を改めた者は離婚によって婚姻前の氏に復するのが原則である(767条1項)。

ひっかけ注意平成27年の大法廷判決が夫婦同氏制を違憲としたとする誤りが狙われる。違憲とされたのは再婚禁止期間の方である。

民法の暗記表を見る →

02正誤を分ける確認順

  1. 1無効原因(婚姻意思の不存在・届出の欠如)と取消原因(適齢違反・重婚・近親婚)を分ける。取消しは家庭裁判所への請求が要り将来効
  2. 2日常家事の範囲を超える行為なら、110条を直接適用せず、日常家事に属すると信ずる正当の理由があるかで判断する
  3. 3離婚なら770条1項の4つの原因に当てはめ、有責配偶者からの請求なら別居期間・未成熟子・苛酷状態の3要素で判断する

03覚える数値

婚姻適齢 男女とも18歳
財産分与の請求期限 離婚の時から5年
裁判上の離婚原因の生死不明 3年以上

04本試験の引っかけ

  • 女性の婚姻適齢を16歳とする肢や再婚禁止期間を6か月・100日とする肢。適齢は男女とも18歳で、再婚禁止期間の規定は削除済み
  • 婚姻の取消しに遡及効があるとする肢。将来に向かってのみ効力を生じ、取消し前に生まれた子は嫡出子のままである
  • 財産分与の請求期限を2年とする肢。現行法は離婚の時から5年である

05おさえる判例

  • 有責配偶者からの離婚請求最大判昭和62年9月2日

    相当の長期間の別居、未成熟の子の不存在、相手方が苛酷な状態に置かれる等の特段の事情がないことを要件に、有責配偶者からの離婚請求を認めうるとした

  • 夫婦同氏制と再婚禁止期間最大判平成27年12月16日

    同日の二判決で、夫婦同氏制は合憲、再婚禁止期間のうち100日を超える部分は憲法14条1項・24条2項に違反するとした

06一次情報

根拠
民法
基準日
2026年4月1日
解説
編集部による書き下ろし。過去問本文は転載していません。

問題演習

婚姻と離婚の○×一問一答

1/7解答 0・正解 0

民法重要度 S頻出度 8/24(編集部の目安)

嫡出の推定

婚姻の解消の日から三百日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定される。

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行政法240問、民法180問を中心に6科目を収録。

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