2026年11月試験対応2026年4月1日施行法令基準情報の正確さへの取り組み

民法

売買(手付・契約不適合責任・危険負担)

契約不適合の通知は「知った時から1年以内」で、対象は種類・品質の不適合だけです。数量不足や権利の不適合には1年の制限がない点、手付解除は相手方が履行に着手していなければできる点が典型の落とし穴です。

要点 4件・確認問題 4

最初に確認

契約不適合責任の期間制限

566条は、種類または品質に関する契約不適合について、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないと、追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・解除ができなくなるとする。売主が引渡しの時に不適合を知り、または重大な過失により知らなかったときはこの制限は適用されない。数量の不適合と権利の不適合には566条の適用がなく、一般の消滅時効(166条1項)で規律される。通知さえすれば、その後の権利行使は消滅時効の期間内であればよい。

覚え方種類・品質は知って一年以内に通知。数量と権利は時効だけ

01重要暗記項目

01
重要度 S

契約不適合責任の期間制限

566条は、種類または品質に関する契約不適合について、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないと、追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・解除ができなくなるとする。売主が引渡しの時に不適合を知り、または重大な過失により知らなかったときはこの制限は適用されない。数量の不適合と権利の不適合には566条の適用がなく、一般の消滅時効(166条1項)で規律される。通知さえすれば、その後の権利行使は消滅時効の期間内であればよい。

ひっかけ注意1年以内に権利行使まで必要とする誤り、および数量不足にも1年の通知期間が及ぶとする誤りが狙われる。

02
重要度 S

手付による解除

557条1項は、買主は手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して契約を解除できるが、相手方が契約の履行に着手した後はできないとする。改正により売主側に現実の提供が必要であることが明文化された。最大判昭和40年11月24日は履行の着手を「客観的に外部から認識しうるような形で履行行為の一部をなし、または履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合」と定義し、自ら着手していても相手方が着手していなければ解除できるとした。

ひっかけ注意自ら履行に着手した者は手付解除できないとする誤りが定番。判例は相手方の着手を基準とする。

03
重要度 A

目的物の危険の移転

567条1項は目的物の引渡しを危険移転の基準時とし、引渡し後に当事者双方の責めに帰することができない事由で目的物が滅失・損傷したときは、買主は追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・解除をすることができず、代金の支払を拒むこともできないとする。同条2項は、売主が契約に適合する目的物の引渡しを提供したのに買主が受領を拒み、または受領することができない場合について同様に扱う。引渡し前であれば536条1項により買主は代金の支払を拒める。

ひっかけ注意危険の移転時期を所有権移転時や契約成立時とする誤りが狙われる。基準は引渡しである。

04
重要度 A

同時履行の抗弁権

533条は双務契約の当事者の一方が相手方の債務の履行を受けるまで自己の債務の履行を拒めるとし、ただし書で相手方の債務が弁済期にないときを除く。抗弁権が存在するだけで履行遅滞の違法性が阻却されるため、相手方が履行の提供をしない限り遅滞責任は生じない。解除による原状回復義務相互(546条)、負担付贈与、弁済と受取証書の交付(486条)にも同時履行の関係が認められる。他方、賃貸借終了時の敷金返還と目的物の明渡しは同時履行の関係に立たない(最判昭和49年9月2日)。

ひっかけ注意敷金返還債務と明渡義務が同時履行の関係に立つとする誤りが定番。明渡しが先履行である。

民法の暗記表を見る →

02正誤を分ける確認順

  1. 1不適合の種類を分ける。種類・品質なら566条の1年の通知が必要、数量や権利の不適合なら一般の消滅時効による
  2. 2救済手段を選ぶ。追完請求が原則で、催告しても追完されないときや追完不能のときに代金減額請求へ進む
  3. 3危険の移転時期を確認する。引渡し後の双方無帰責の滅失・損傷なら、買主は代金の支払を拒めない

03覚える数値

契約不適合の通知 知った時から1年以内
危険の移転 目的物の引渡しの時

04本試験の引っかけ

  • 566条の起算点を引渡しの時とする肢、必要な行為を権利行使や訴えの提起とする肢。知った時から1年以内の「通知」で足りる
  • 手付解除の着手の判断対象を「自ら」とする肢。相手方が履行に着手していなければ、自ら着手していても解除できる
  • 売主の手付解除に口頭の提供で足りるとする肢。倍額の現実の提供が必要である

05おさえる判例

  • 手付解除と履行の着手最大判昭和40年11月24日

    履行の着手とは客観的に外部から認識しうる形で履行行為の一部をなし、または履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合をいう

  • 他人物売買と相続最大判昭和49年9月4日

    他人の権利の売主を相続した権利者は、信義則に反する特別の事情がない限り履行を拒絶できるが、売主の地位を承継するため損害賠償責任は免れない

06一次情報

根拠
民法
基準日
2026年4月1日
解説
編集部による書き下ろし。過去問本文は転載していません。

問題演習

売買(手付・契約不適合責任・危険負担)の○×一問一答

1/4解答 0・正解 0

民法重要度 S頻出度 12/24(編集部の目安)

手付による解除

買主が売主に解約手付を交付した場合において、売主が既に履行に着手しているときであっても、買主自身がまだ履行に着手していない限り、買主は手付を放棄して契約を解除することができる。

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行政法240問、民法180問を中心に6科目を収録。

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