資格・キャリア2026年度試験対応
行政書士と宅建はどっち?試験・仕事・難易度・取得順を比較【2026年版】
行政書士と宅建のどちらを選ぶかは、合格率の低い方・高い方ではなく、将来扱いたい手続で決めます。行政書士は官公署への許認可等の書類作成・提出手続代理や権利義務・事実証明書類が中心です。宅地建物取引士は宅地建物取引業の中で、重要事項説明など不動産取引の安全を支える役割を担います。試験も、行政書士が60題300点・3時間・記述式あり、宅建が50問・四肢択一・2時間と異なります。この記事では、公式実施機関と法令の数字だけを同じ軸へそろえ、取得順と両資格を使う場面まで判断できる形にします。
- 公開日
- 2026年8月2日
- 更新日
- 2026年8月2日
- 読了目安
- 約24分
- 法令基準日
- 2026年4月1日

行政手続、許認可、契約書等の書類作成を仕事の中心にしたいなら行政書士、不動産会社で売買・賃貸の重要事項説明や契約実務に関わりたいなら宅建を優先します。2026年度試験は、行政書士が60題300点・3時間で択一式と40字程度の記述式、宅建が50問・四肢択一・2時間です。令和7年度の合格率は行政書士14.54%、宅建18.7%でしたが、母集団と合格判定方法が違うため、合格率だけで難易度を決められません。取得順は、現在の仕事に直結する方を先にし、行政書士なら名簿登録、宅建なら実務経験等を満たす資格登録と宅地建物取引士証の交付まで見込んで選びます。
迷いやすい判断を、具体的な行動に変えます
- 行政書士は行政手続と書類作成、宅建士は宅地建物取引業における重要事項説明等が中心
- 行政書士は記述式を含む60題300点・3時間、宅建は50問四肢択一・2時間で試験構造が違う
- 令和7年度合格率は行政書士14.54%、宅建18.7%だが、合格率だけでは個人の難易度を決められない
- 両方取る場合も独占業務が一つに融合するわけではなく、案件ごとに資格・受任範囲を分ける
01結論:行政への申請か、不動産取引かで先に取る資格を決める
行政書士と宅建は、どちらも法律知識を使う国家資格ですが、仕事の中心が違います。行政書士は、他人の依頼を受け、官公署に提出する許認可等の書類作成や提出手続代理、権利義務・事実証明に関する書類作成と相談などを行います。宅地建物取引士は、宅地建物取引業の取引過程で、契約前の重要事項説明など購入者・借主の判断を支える役割を担います。
したがって、資格名の知名度や平均学習時間だけで選ぶと、合格後に使わない資格になる可能性があります。建設業許可、在留、法人・事業の行政手続などに関心があるなら行政書士を先に検討します。不動産会社で売買・賃貸の媒介、契約前説明、物件調査に関わるなら宅建を先に検討します。
両方に興味がある人は、現在の仕事で一年以内に使う方を先にします。試験日が宅建は10月、行政書士は11月なので同じ年に受験すること自体は可能ですが、行政書士には記述式と三つの合格基準があり、試験が一か月ずれているだけで負荷が小さいわけではありません。まず一つの合格を再現できる学習計画を作り、二つ目は合格後の実務接点から判断します。
025つの質問で、行政書士と宅建のどちらを先にするか決める
最初に、『法律が好きか』ではなく『どの場面で法律を使いたいか』を聞きます。行政庁の許可・届出、事業者支援、書類と期限の管理に関心があるか。不動産の現地調査、顧客説明、売買・賃貸の契約過程に関心があるか。この二つは、同じ民法を使っても仕事の一日が異なります。
次に、現在の勤務先で資格者として担当できる仕事があるかを確認します。不動産会社では、事務所ごとの専任宅地建物取引士の設置や重要事項説明と資格が直接つながります。行政書士は登録後、行政書士事務所・行政書士法人等で行政書士業務を行う道が中心で、一般企業の法務担当になれば当然に行政書士業務を行えるという関係ではありません。
最後に、試験形式との相性を見ます。マークシートの四肢択一を時間内に処理する方が得意なら宅建の形式が近く、択一に加えて40字程度で要件と結論を書く訓練も受け入れられるなら行政書士の形式に対応しやすいでしょう。ただし、得意形式だけで職業選択を決めず、仕事・登録・試験の三軸を表へ入れて判断します。

| 質問 | 行政書士寄り | 宅建寄り | 確認方法 |
|---|---|---|---|
| 扱いたい対象 | 許認可・届出・権利義務書類 | 土地建物の売買・賃貸 | 興味のある案件を三つ書く |
| 働きたい場所 | 行政書士事務所・行政書士法人・独立 | 不動産会社・金融・建設等 | 求人の実際の職務を見る |
| 顧客との接点 | 事実聴取、書類作成、行政庁との手続 | 物件調査、重要事項説明、契約支援 | 一日の工程を比較する |
| 試験形式 | 択一・多肢選択・40字記述 | 50問四肢択一 | 公式問題で時間を測る |
| 合格後 | 日行連名簿登録・行政書士会所属 | 都道府県登録・宅建士証交付 | 登録条件と費用を先に確認 |
03実施機関と根拠法が違うため、公式情報の確認先も分ける
行政書士試験は、都道府県知事の委任を受けた一般財団法人行政書士試験研究センターが実施します。受験資格、試験日、申込期間、科目、合格基準、実施結果は同センターの公式案内で確認します。行政書士としての資格・登録・業務は行政書士法と日本行政書士会連合会の案内が正本です。
宅地建物取引士資格試験は、都道府県知事から委任を受けた一般財団法人不動産適正取引推進機構が、各都道府県を試験地として実施します。2026年度試験案内は、試験合格後の資格登録を合格した試験地の都道府県知事へ申請すると明記しています。試験情報はRETIO、業務・登録制度は宅地建物取引業法、国土交通省、都道府県の主管課で確認します。
比較記事を読むときは、行政書士の数字を宅建の実施機関ページで探したり、宅建スクールの説明を行政書士の公式制度だと思ったりしないことが重要です。この記事の表は同じ軸へそろえていますが、申込みや登録を行うときは必ず各制度の最新公式ページへ戻ってください。
| 確認事項 | 行政書士 | 宅建 |
|---|---|---|
| 試験実施 | 行政書士試験研究センター | 不動産適正取引推進機構(RETIO) |
| 根拠法 | 行政書士法 | 宅地建物取引業法 |
| 資格登録 | 日本行政書士会連合会の名簿 | 試験合格地の都道府県知事 |
| 地域窓口 | 事務所所在地の都道府県行政書士会 | 試験合格地の都道府県主管課 |
| 業務案内 | 日行連・所属行政書士会 | 国土交通省・都道府県・RETIO |
04行政書士は60題300点・3時間、宅建は50問四肢択一・2時間
2026年度行政書士試験は11月8日、午後1時から午後4時までの3時間です。法令等46題、基礎知識14題の合計60題で、法令等は択一式と記述式、基礎知識は択一式です。記述式は40字程度で書きます。単純に一問何分と割れず、択一・多肢選択・記述の順序と時間配分が必要です。
2026年度宅建試験は10月18日、一般申込者が午後1時から午後3時までの2時間です。50問・四肢択一式の筆記試験で、全都道府県で同一問題を同時に実施します。登録講習修了者は5問免除で45問、午後1時10分から午後3時までの1時間50分です。法令基準日は両試験とも2026年4月1日です。
数字だけなら宅建の方が問題数・時間とも少ない一方、一問あたりの判断時間は限られます。行政書士は総時間が長い代わりに記述答案を組み立てる時間が必要です。どちらが自分に合うかは、公式問題を一部解き、形式別に『知識がない』『読み違えた』『時間が足りない』を記録して判断します。
| 項目 | 行政書士 | 宅建 |
|---|---|---|
| 試験日 | 2026年11月8日 | 2026年10月18日 |
| 一般の試験時間 | 13:00〜16:00(3時間) | 13:00〜15:00(2時間) |
| 問題数 | 60題 | 50問 |
| 形式 | 択一式・多肢選択式・40字程度の記述式 | 四肢択一式 |
| 法令基準日 | 2026年4月1日 | 2026年4月1日 |
| 免除 | 科目免除なし | 登録講習修了者は5問免除 |
05令和7年度合格率は行政書士14.54%、宅建18.7%
令和7年度行政書士試験は、受験申込者63,845人、受験者50,163人、合格者7,292人、合格率14.54%でした。合格者平均得点は197点です。行政書士試験は、法令等50%以上、基礎知識40%以上、全体60%以上の三条件をすべて満たす基準が公式に示されています。
令和7年度宅建試験は、申込者306,099人、受験者245,462人、合格者45,821人、合格率18.7%でした。一般受験者の合格判定基準は50問中33問以上、登録講習修了者は45問中28問以上でした。宅建の合格判定基準は年度ごとの発表を確認し、前年の点数を翌年の確定ラインとして扱わないようにします。
14.54%と18.7%の差だけを見て『宅建は行政書士より約4ポイント簡単』とは言えません。受験者数、受験者の職業構成、科目、出題形式、合格条件が違うからです。合格率は試験全体の結果であり、あなたが現在持つ民法知識、実務経験、確保時間を反映しません。難易度判断には、過去の数字と自分の初回得点を分けて使います。
| 項目 | 行政書士 | 宅建 |
|---|---|---|
| 申込者数 | 63,845人 | 306,099人 |
| 受験者数 | 50,163人 | 245,462人 |
| 合格者数 | 7,292人 | 45,821人 |
| 合格率 | 14.54% | 18.7% |
| 合格基準 | 法令等・基礎知識・全体の三条件 | 50問中33問以上(令和7年度一般) |
06共通する民法より、異なる中核科目の方が大きい
行政書士と宅建には民法の重なりがあります。意思表示、代理、時効、物権変動、担保、債務不履行、契約などの基本概念は双方の学習に役立ちます。しかし、同じ条文を扱っても、行政書士は法令等46題の中で民法と40字記述を含めて問われ、宅建は権利関係14問の中で不動産取引に関係する形で問われます。
行政書士の中核は行政法です。行政法112点と民法76点で300点の62.7%を占め、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法などを学びます。宅建の中核は宅建業法で、50問中20問を占めます。法令上の制限、税・その他、権利関係も加わります。
二資格を連続して学ぶ場合、民法テキストを丸ごと同じと思わないでください。用語の基礎は移せても、出題範囲、問われる深さ、問題形式、法令基準日は試験ごとに確認します。一つ目の試験で作った誤答ノートは、共通知識と試験固有知識に色分けして引き継ぎます。
| 領域 | 行政書士 | 宅建 | 引き継ぎ方 |
|---|---|---|---|
| 民法 | 択一・記述を含む76点 | 権利関係14問の中心 | 条文理解を共通土台にする |
| 行政法 | 最大112点の中核 | 独立した主要科目ではない | 行政書士専用に学ぶ |
| 宅建業法 | 試験の主要科目ではない | 20問の中核 | 宅建専用に学ぶ |
| 憲法・基礎法学 | 出題あり | 原則として主要区分外 | 行政書士専用に学ぶ |
| 法令上の制限・税 | 一部関連知識 | 主要区分 | 宅建の問題形式で学ぶ |
| 基礎知識 | 14題・足切りあり | 同じ区分なし | 行政書士専用に週次で回す |
07難易度は、必要知識・形式・合格条件の三つに分解する
行政書士の負荷を上げるのは、行政法を中心とする法令範囲、40字記述60点、基礎知識の足切り、三条件の同時達成です。択一で総得点が高くても基礎知識24点未満なら合格になりません。記述は採点結果を自己採点だけで確定できず、要件と結論を短く書く練習が必要です。
宅建の負荷を上げるのは、50問を2時間で処理する速度、宅建業法の細かな主体・期限・書面、法令上の制限や税の数字、年度によって合格判定基準が変わる点です。すべて四肢択一でも、選択肢一つずつの正誤理由を説明できなければ安定しません。
一般に示される学習時間は、法学経験、実務、開始得点、学習方法で大きく変わり、両試験の実施機関は個人に必要な学習時間を公表していません。時間の数字を比較の結論にせず、公式問題20問を解いて、正答率と一問あたり時間を測ります。行政書士は記述答案も一問書き、形式の違いを体験します。
08同じ年に受けるなら、民法を共有しても直前期は分ける
2026年度は宅建が10月18日、行政書士が11月8日で、三週間の間隔があります。申込みと受験は可能でも、宅建後の三週間だけで行政法112点、基礎知識56点、記述式60点を新規に完成させる計画は現実的ではありません。行政書士も受けるなら、行政法と基礎知識を宅建前から継続します。
学習を共有できるのは民法の基本概念です。一方、直前期の暗記対象と模試形式は分けます。宅建の直前は宅建業法、法令上の制限、統計を含む50問形式を回し、行政書士は行政法、基礎知識、記述を止めない最低枠を残します。宅建終了後は行政書士の三条件へ即座に配分を戻します。
一日に二資格を混ぜると切替時間が増える人は、曜日で分けます。共通民法は同じ日に扱い、試験固有科目は別日にします。両方が中途半端になる場合は、今年使う資格を一つに絞り、もう一方は翌年へ送る判断も合格戦略です。
09行政書士は行政手続、宅建士は宅地建物取引業の取引過程を支える
行政書士は、官公署へ提出する許認可等の書類作成、その提出手続代理、作成できる書類についての相談、権利義務・事実証明に関する書類作成などを行います。特定行政書士は、所定研修の修了後、行政書士が作成した許認可等の申請に関する一定の不服申立て手続を扱います。他の法律で制限される業務はできません。
宅地建物取引士は、宅地建物取引業者の業務の中で、不動産取引の専門家として購入者等の利益保護と円滑な流通に資するよう公正・誠実に法定事務を行います。重要事項説明は、売買・交換・貸借の契約成立前に、物件・権利・法令制限・契約条件等を相手方が判断できるよう説明する工程です。
行政書士が不動産に関係する許認可や契約書を扱うことと、宅建士が宅建業法上の重要事項説明を行うことは同じではありません。また、宅建試験に合格しただけで行政への許認可申請代理ができるわけでもありません。案件が同じ土地や会社をめぐる場合でも、法的根拠と依頼範囲を資格ごとに分けます。
10独占業務は、資格を二つ持っても案件ごとに分ける
宅建士が担う代表的な法定事務は、契約成立前の重要事項説明、重要事項説明書への記名、契約成立時に交付する書面への記名です。2022年の制度改正により一定の書面は相手方の承諾等の要件の下で電磁的方法による提供が可能になりましたが、宅建士による説明・記名という役割が消えたわけではありません。
行政書士は、行政書士法が定める書類作成・提出手続代理・相談等を業とします。登記申請や訴訟代理など他士業法で制限される業務は、行政書士資格だけでは扱えません。『不動産に関する書類だから宅建士でも行政書士でも同じ』という判断はせず、提出先、法的効果、代理内容で切り分けます。
ダブルライセンスでは、顧客の相談窓口を一つにしやすくても、説明時にはどちらの資格・契約に基づく業務かを明確にします。報酬、委任状、記録、責任範囲を混ぜると、顧客にも担当者にも境界が見えなくなります。資格数より、適切に分業・連携できる体制の方が重要です。
| 業務場面 | 行政書士 | 宅建士 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 官公署への許認可申請 | 書類作成・提出手続代理等 | 宅建士資格の法定事務ではない | 他法令の制限を確認 |
| 権利義務・事実証明書類 | 作成・相談等 | 宅建取引に伴う書面は宅建業法を確認 | 登記・訴訟等を含めない |
| 重要事項説明 | 行政書士の独占業務ではない | 宅建士が行う法定事務 | 契約成立前に実施 |
| 35条書面 | 行政書士資格による記名ではない | 宅建士が記名 | 電子提供時の要件も確認 |
| 37条書面 | 行政書士資格による記名ではない | 宅建士が記名 | 説明義務と記名を混同しない |
| 登記申請 | 原則として扱えない | 宅建士資格でも代理不可 | 司法書士等の業務範囲を確認 |
11どちらも、試験合格だけでは資格者業務の最終段階ではない
行政書士は、行政書士となる資格を得た後、欠格事由等の確認を経て、日本行政書士会連合会の行政書士名簿へ登録され、事務所所在地の都道府県行政書士会へ所属します。試験合格証を持っている状態と、行政書士証票を持って行政書士業務を行う状態は違います。
宅建は、試験合格後、宅地建物取引士として業務に従事するなら、受験した試験地の都道府県で資格登録を受けます。登録には欠格要件に該当しないことに加え、宅建業の実務経験2年以上、登録実務講習修了、所定の公的機関での取得・処分業務経験2年以上のいずれかが必要です。その後、宅地建物取引士証の交付を受けます。
合格後の工程まで比べると、どちらも『受かった翌日から独占業務ができる』資格ではありません。行政書士は所属会・事務所・受任体制、宅建は実務経験等・都道府県登録・宅建士証を見込みます。資格取得費用を比較するときも、試験料だけではなく合格後の登録費用と継続費用を分けてください。
| 工程 | 行政書士 | 宅建 |
|---|---|---|
| 試験合格 | 行政書士となる資格の一ルート | 宅建士資格登録へ進む前提 |
| 追加条件 | 欠格・登録拒否事由、事務所等を確認 | 欠格要件+実務経験2年等 |
| 登録先 | 日本行政書士会連合会の行政書士名簿 | 試験合格地の都道府県知事 |
| 地域組織・証票 | 都道府県行政書士会へ所属、証票等 | 宅地建物取引士証の交付 |
| 業務開始 | 行政書士法・会則に沿う受任体制 | 宅建業者の業務で法定事務を担当 |
12就職で使う宅建、登録して受任する行政書士という違いを見る
宅建は、不動産会社の売買・賃貸仲介、住宅販売、用地、金融・不動産関連部門などで職務と結び付きやすい資格です。宅建業者は事務所等に法定数の専任宅建士を置く必要があり、重要事項説明を担当する資格者が必要です。ただし、資格があれば採用・昇給が必ず約束されるわけではなく、求人の職務と手当条件を確認します。
行政書士は、行政書士事務所・行政書士法人での勤務や独立開業などで、登録した行政書士として業務を行います。一般企業で資格知識を活かすことはできますが、その会社の通常業務をしているだけで行政書士として外部依頼を受任できるわけではありません。勤務先規程と登録形態を確認します。
転職目的なら、資格名で検索するだけでなく、5件の求人から実際の業務を抜き出します。宅建なら重要事項説明、契約、物件調査、営業の比率、行政書士なら許認可分野、書類作成、顧客対応、補助者業務と登録条件を比較します。資格手当の額だけで、仕事の適性を判断しないことが重要です。
13行政書士を先に取るのは、許認可・行政法・独立が軸の人
行政書士を先に取る選択が合うのは、行政手続、事業者の許認可、在留・法人支援、契約書等の作成に関心があり、行政法を中核として学ぶ意思がある人です。独立を考える場合も、試験合格だけでなく登録、所属会、事務所、顧客獲得、受任管理まで計画します。
行政書士の学習で身に付けた民法の基本は、後で宅建の権利関係を学ぶ際に使えます。一方、行政法の大部分は宅建の得点へ直接移らず、宅建業法20問、法令上の制限、税・その他は新たに学びます。行政書士合格後の勢いだけで宅建を受けず、不動産実務を使う目的があるか確認します。
行政書士試験は11月なので、同年10月の宅建を『練習』として先に受ける計画は、行政法・記述・基礎知識の時間を奪う可能性があります。行政書士が第一志望なら、宅建受験の有無を学習時間の余りではなく、行政書士の模試到達度で判断します。
14宅建を先に取るのは、不動産業・短い択一試験・民法の土台が軸の人
宅建を先に取る選択が合うのは、不動産会社で働いている、または就職を目指し、重要事項説明や不動産取引の実務へ早くつなげたい人です。50問四肢択一の一試験に集中し、宅建業法を得点源にする計画が立てやすい点も、最初の法律資格として選ぶ理由になります。
宅建で民法の基本的な正誤判断に慣れると、行政書士の民法を始める負担は下がります。ただし行政書士では、民法の記述、行政法112点、基礎知識の足切りが加わります。宅建合格を行政書士の合格見込みへそのまま換算せず、行政書士の公式問題で開始点を測ります。
宅建合格後に行政書士へ進むなら、宅建士の資格登録・宅建士証交付と行政書士学習を同時に詰め込み過ぎないことも必要です。現在の仕事で宅建士証が必要なら手続を優先し、行政書士は翌年度の試験日から逆算して開始します。
15ダブルライセンスは、資格数ではなく案件の接点で生かす
行政書士と宅建の両方が役立つ可能性があるのは、不動産会社の許認可・更新、開発や土地利用に関係する行政手続、事業承継や法人支援の中で不動産取引が生じる場面などです。ただし、一つの案件に二資格が出てくることと、一人ですべて完結できることは同じではありません。
たとえば宅建士として重要事項説明を行い、行政書士として別の許認可申請書類を作成する場合、それぞれの所属・契約・責任範囲を明確にします。登記、税務、紛争代理などが含まれれば、司法書士、税理士、弁護士等との連携が必要です。ダブルライセンスは他士業との境界を消す制度ではありません。
二つ目の資格を取る前に、現在の顧客・勤務先で一年に何件の接点があるか数えます。件数がなく、使う場面を言語化できないなら、資格学習より現在の専門分野の実務研修を優先した方がよい場合があります。取得目的を『肩書きを増やす』から『案件のどの工程を改善するか』へ変えます。
16向いている資格は、学習の好みより仕事の反復に耐えられる方
行政書士に向くのは、依頼者から事実を聞き、要件へ当てはめ、複数の添付資料と期限を管理し、行政庁との補正に粘り強く対応できる人です。独立を目指すなら、専門知識だけでなく営業、見積り、資金繰り、個人情報管理も仕事になります。
宅建士に向くのは、物件情報と権利関係を調査し、顧客へ重要事項を分かりやすく説明し、契約日程を関係者と調整できる人です。不動産営業と資格者業務が同じ職場で重なることも多く、対人対応と正確な書面確認の両方が求められます。
どちらも、暗記が得意というだけでは仕事の適性を確定できません。興味のある職場の求人、公式の業務案内、実際の一日の工程を読み、三か月続けても苦になりにくい作業を選びます。迷う場合は、民法の同じテーマを両サイトの問題で解き、次に行政法と宅建業法を一時間ずつ体験します。
17今日やること:仕事・試験・登録を1枚で比較する
紙を三列に分け、左に仕事、中央に試験、右に合格後手続を書きます。行政書士には、扱いたい許認可等の分野、60題300点・3時間・記述式、日行連名簿登録と所属会を記入します。宅建には、働きたい不動産業務、50問四肢択一・2時間、実務経験等と都道府県登録・宅建士証を記入します。
次に、令和7年度合格率ではなく、自分が一年以内に使う場面へ丸を付けます。行政書士を選ぶなら、行政法と基礎知識を含む10問を解きます。宅建を選ぶなら、宅建試験ナビで50問の点数配分と宅建業法の役割を確認します。二つとも選ぶ場合は、第一試験の合格後に第二資格を再判断する日を決めます。
比較を続けても決まらないときは、資格名ではなく次の転職・顧客・業務を先に決めます。資格は仕事へ接続して初めて優先順位が明確になります。今日の行動は、資料をさらに十本読むことではなく、第一候補の公式問題を解き、開始点を数字にすることです。
よくある質問
行政書士と宅建はどちらがおすすめですか?
行政への許認可申請、契約書等の書類作成、事業者支援を仕事にしたいなら行政書士、不動産会社で重要事項説明や売買・賃貸契約に関わりたいなら宅建を優先します。合格率ではなく、一年以内に使う仕事と合格後の登録まで含めて選んでください。
行政書士と宅建はどちらが難しいですか?
令和7年度合格率は行政書士14.54%、宅建18.7%でした。ただし行政書士は択一・多肢選択・記述式と三つの合格基準、宅建は50問四肢択一で年度ごとの合格判定基準という違いがあります。受験者層も異なるため、合格率だけでは個人にとっての難易度を断定できません。
行政書士と宅建はどちらを先に取るべきですか?
現在の仕事で先に使う方を選びます。不動産会社で宅建士業務を担当する予定なら宅建、許認可・行政手続や行政書士事務所での業務を目指すなら行政書士が先です。両方未経験なら、公式問題と求人の職務内容を比較して第一資格を一つに絞ります。
宅建を持っていると行政書士試験で有利ですか?
民法の基本概念と択一問題への慣れは役立ちます。ただし行政書士では行政法112点、基礎知識56点、記述式60点が加わり、宅建業法・法令上の制限の多くは直接の得点源になりません。宅建合格を行政書士の合格見込みへそのまま換算しないでください。
行政書士と宅建のダブルライセンスで何ができますか?
不動産に関係する行政許認可と宅建業の取引実務など、案件の異なる工程へ対応しやすくなります。ただし行政書士業務と宅建士の法定事務は資格ごとに分け、登記、税務、訴訟代理など他士業の独占業務まで扱えるわけではありません。
行政書士と宅建を同じ年に受験できますか?
受験は可能です。2026年度は宅建が10月18日、行政書士が11月8日です。ただし三週間で行政書士固有の行政法・基礎知識・記述式を完成させる計画は危険です。両方受けるなら共通する民法を活用しつつ、行政書士固有科目を宅建前から継続してください。
この記事の参照元
法令、制度、試験日程は変更される場合があります。受験・手続の前には、リンク先の最新案内も確認してください。
- 行政書士試験研究センター 令和8年度行政書士試験のご案内確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 行政書士試験研究センター 令和7年度行政書士試験実施結果の概要確認日 2026年8月2日別画面で開く
- e-Gov法令検索 行政書士法確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 日本行政書士会連合会 行政書士の業務確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 不動産適正取引推進機構 宅建試験の概要確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 不動産適正取引推進機構 令和8年度宅建試験案内確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 不動産適正取引推進機構 令和7年度宅建試験結果の概要確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 不動産適正取引推進機構 令和7年度合否判定基準・正解番号確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 不動産適正取引推進機構 宅地建物取引士資格登録等の手続確認日 2026年8月2日別画面で開く
- e-Gov法令検索 宅地建物取引業法確認日 2026年8月2日別画面で開く
- 国土交通省 重要事項説明書等の電磁的方法による提供確認日 2026年8月2日別画面で開く